中国西南地域初となる百万キロワット規模の揚水発電所、全面稼働

中国西南地域初となる百万キロワット規模の揚水発電所、全面稼働

重慶蟠竜揚水発電所の地下施設。(資料写真、重慶=新華社配信/鄢江奎)

 【新華社重慶6月3日】中国西南地域初となる百万キロワット規模の大型揚水発電所、重慶蟠竜揚水発電所がこのほど、全面稼働した。2015年9月に着工し、23年末に1期目のユニットが稼働していた。

 重慶市綦江区中峰鎮に位置する同発電所は重慶電力負荷センター内にあり、四川省の水力発電拠点に隣接する。西部の電力を東部に送る「西電東送」プロジェクトのメインルートの中継拠点でもある。投資総額は71億元(1元=約22円)以上で、単体設備容量30万キロワットのポンプ逆転水車発電ユニット4基からなる。総設備容量は120万キロワットで、年間発電量は20億キロワット時を見込む。

 同発電所は地域送電網の「大型蓄電施設」として、240万キロワットの電力調整機能を備え、重慶送電網の電力消費ピークを効果的に緩和するという。風力・太陽光発電などクリーンエネルギーの系統接続と消費を促進するとともに、地域電力網と「西電東送」のメインルートに対し、より安全で信頼でき、柔軟性が高く、効率的かつ環境に優しい、クリーンな電力供給を保障する。エネルギー構造の調整を推進し、重慶の経済発展モデルの転換にも重要な意義を持つ。全面稼働後は年間で標準炭換算15万2千トンのエネルギー消費を節約し、二酸化炭素(CO2)39万8千トンの排出を削減するとされ、省エネ・排出削減の効果は大きい。

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