スマホは“毎週”再起動するべき、米国家安全保障局が推奨する理由

Image:Samsung

米国家安全保障局(NSA)は、インターネットなどデジタルスペース上でユーザーがスマートフォンをハッカーなどの手から守るための方法を解説する文書で、毎週スマートフォンの電源を切り、再起動することを推奨。主にスピアフィッシングとゼロクリック攻撃を防げる場合があるとしている。

これはForbesが2020年のNSA文書から見つけ出したもので、まだホームボタンがあった頃のiPhoneとサムスンのGalaxyスマートフォンを対象とした古い情報だ。ほかの推奨事項としては、充電コードは純正品を使用すること、可能なら生体認証の使用を検討するといった基本的な、またはいまとなっては少し時代遅れ感のあるものが含まれているが、いまでも通用する考え方と言えるだろう。

スマートフォンはPCと同様にOSの上で様々なアプリを動かし、搭載されている様々なハードウェアを制御している。そのため、たとえばバックグラウンドで動作するソフトウェアがエラーを出していたり、メモリーリークを起こしていれば、ユーザーが気づかないうちに動作が遅くなったり、バッテリー消費が激しくなったりする。スマートフォンを再起動すれば、そうした状況をリフレッシュでき、動作が軽快になったと実感できる可能性もある。

サムスンはGalaxyスマートフォンに定期的に再起動する機能を用意している。Google Pixelにはそのような機能はないが、ソフトウェアアップデートをインストールする際に、自動的に再起動させるオプションがある。

一方、iPhoneの場合は条件に応じて指定した操作を自動実行するオートメーションを作れば、数日ごとの再起動を自動的に行うことが可能だ。

なお、定期的な再起動は、スマートフォンの動作を軽快にする一定の効果はあるものの、たとえばマルウェアが侵入しバックグラウンドで動作しているような場合は、システムを再起動しても再びマルウェアが起動してしまい、あまり効果がない場合がある。セキュリティに関してはまた別の対策を普段からしておく必要がある。

© 株式会社 音元出版