蓮舫氏の東京都知事選出馬に右往左往、毒舌批判する《#パニックおじさん》って何だ?

注目だ(C)日刊ゲンダイ

《#蓮舫パニックおじさん》――こんな造語が今、SNS上で静かに拡散されている。

東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に出馬表明した立憲民主党の蓮舫参院議員(56)に対して厳しい意見を発言、投稿している芸能人、著名人、マスコミ人らを指すらしい。

名前が挙がっているのは、元大阪府知事、元大阪市長で弁護士の橋下徹氏(54)や、元NHK政治部記者でジャーナリスト岩田明子氏(50)ら。さらに彼らの発言を引用しつつ、《国政における政争を掲げた蓮舫に巻き込まれる哀れな都民》《反自民というだけで出てきた蓮舫さん。都民には全く関係ない》……などと連日、蓮舫氏を“フルボッコ”している投稿者も「パニックおじさん」の一部とみられている。

3選出馬が見込まれる小池百合子都知事(71)についてはほとんど触れず、連日、蓮舫氏について否定、批判的かつ、事実関係もあやふやな話が次々とネット上に嬉々とした様子で広がる異様な状況。かつて「虚偽投稿」で立憲民主党などの野党批判を繰り返し、東京地裁から「投稿は会社の業務」と認定され、賠償金の支払いと投稿削除を命じられたX(旧ツイッター)の匿名アカウント「Dappi」事件を彷彿とさせるようだ。

■2016年の都知事選で小池氏は「反自民」で戦った

小池氏に対する強力なライバルの出現に驚いているのか、焦っているのかは分からないが、右往左往しているような様子は確かに「パニック状態」と指摘されてもやむを得ないだろう。

《反自民というだけで出てきた蓮舫さん。都民には全く関係ない》といった意見も多いが、小池氏が都知事選に出馬した2016年の選挙を振り返れば、この時、自民党は増田寛也元総務相(72=現・日本郵政社長)を擁立。結果的に小池氏は「反自民」となり、その後、新党「都民ファーストの会」も立ち上げている。新党発足のきっかけは、その後の衆院選で議席確保を目指すという国政を睨んだ動きだったから、都民はある意味で政争に巻き込まれた、といってもいい。

さらに小池氏も、裏金事件と決して無関係とはいえない。国会議員時代は派閥パーティーからのキックバックが行われていたとみられる自民党の清和政策研究会に所属していたからだ。

《#蓮舫パニックおじさん》は冷静になった方がいい。

© 株式会社日刊現代