先週札幌市内の3つの保育園が突然休園となった問題で、同じ会社が運営し唯一受け入れを続けていたもう1つの保育園も3日から休園となったことがわかりました。
富永誌衣那記者)
「住宅街にあるこちらの保育園、急遽休園が決まり営業最終日となります」。
札幌市西区にある認可保育園「ちゅうわ発寒保育園」。38人の園児が通っていましたが突然休園が決まりました。
保護者)
「きのう(31日)の夕方ですね。私ではなく妻のほうに連絡が入って夜の段階で明日で終わりというのを急に聞いたので」、「転園するしかないですよね」。
会社は二人とも働いているので1回仕事を休んで保育園探しから始めないといけないかなと」。
保護者に休園が知らされたのは先週の金曜日。理由は6月3日以降、職員の数の確保が難しくなったためだといいます。
この園を運営しているのは中央区の「中和興産」。市内に4つの認可保育園と1つの認可外保育園を運営していて今回休園を決めたのは1番園児が多い「ちゅうわ発寒保育園」です。
札幌市・南区の「ちゅうわ南保育園」は保育士が足りない状態で園児を預かっていたとして、先月24日に市から「事業停止命令」が出され1日から休園となりました。
このほか「ちゅうわ南郷保育園」と「ちゅうわ清田保育園」、「ふしみの森めぐみ保育園」は職員の一斉退職を理由に今月1日から休園となっています。
保育園関係者によりますと4つの園の休園は中和興産が職員らへの給料を支払わないなどのトラブルが起きていることが原因だといいます。
中和興産は昨年度4つの認可保育園から請求し札幌市から受けた施設運営のための補助金のうち、およそ2600万円が過大支給だったとして市から返納を求められています。さらに認可外の「ふしみの森めぐみ保育園」も2022年度、国から受けた助成金およそ1億円のうち4700万円ほどが過大支給だったとして返還を求められています。
以前、この保育園に勤めていた職員らは補助金や助成金の申請時に市や国へウソの申告をし「不正請求」していたと話します。
以前勤めていた人)
「認可外の人を認可のほうに人数にいれての申請を行っていました。(経営者の男性が)この人をこっちに入れてくれとかそこで働いてない職員の名前を入れてくれという指示を私も聞いていました」。
園の関係者によりますと、実質的経営者の男性に指示をされ系列のほかの保育園に所属している保育士の名前を記載するなどしていたということです。
これに関して、実質的経営者の男性は。
実質的経営者の男性)
「見込みが外れることもあるし、補助金の概算と精算で差額が生じることはある。手がけている年商から考えると数パーセント分。差額は返すつもりだ」。
HTBが入手した中和興産の法人カードの利用明細書です。この月の請求額はおよそ960万円で、決済先には「クラブ」や「メイド喫茶」の文字が並んでいます。このうち700万円以上が、女性の接待を伴う風俗店での支払いでした。
退園した保育士)
「飲みにいくのは仕事だみたいな感じで言ってました。そういうところからこうやって保育士とかこどもとか入れているんだっていう風には言ってました」。
およそ2600万円におよぶ補助金の過大支給分が返ってきていない札幌市は。
秋元市長
(Qこのような事態になることで認可の取り消しは?)
「認可の取り消しも含めて法的な対応、法に基づいた対応を検討していきたい」
札幌市は、園児の転園先が見つかるように調整を進めたいとしています。
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