多国籍企業の対中投資拡大、中国は魅力ある市場

多国籍企業の対中投資拡大、中国は魅力ある市場

上海市の中国初のサムズ・クラブ旗艦店。(資料写真、上海=新華社配信/姚易琪)

 【新華社北京6月3日】中国で最近、投資・事業拡大を急ぐ多国籍企業が相次いでいる。中国商務部のデータによると、今年1~4月の外資企業の新設数は前年同期比19.2%増の1万6805社に上った。

 米小売り大手ウォルマート傘下の会員制スーパーマーケット、サムズ・クラブは5月21日、広東省中山市で新規店舗の調印式と定礎式を行った。同週には、中国48号店となる江蘇省南京市江北店が開業した。米会員制倉庫型量販店コストコ・ホールセールは今年初め、広東省深圳市に華南地区第1号店をオープンさせ、5月28日には南京で、本土初となるガソリンスタンド併設店が開業した。

 スウェーデン商用車大手スカニアの中国法人のマッツ・ハーボーン総裁は、アジアと中国市場の将来性を考え、最終的に中国での生産拠点設置と生産拡大を決めたとした。その上で「中国は電動化、自動運転、スマートなIoV(車のインターネット)分野でイノベーションが最も多い国の一つで、私たちは中国のイノベーション能力とサプライチェーン(供給網)を活用したい」と語った。

 フランスのスポーツ用品大手、デカトロン傘下の自転車ブランド「VAN RYSEL(ヴァンリーゼル)」で北アジア地区を担当する趙躍武(ちょう・やくぶ)氏は、中国のサイクリング愛好家は控えめに推計しても2029年に1億人に達し、うちロードバイクの割合が非常に高くなる見通しを表明。中国人消費者の需要に応えるため、デカトロンはここ数年、ラインアップを80余りのスポーツ種目に拡大していると紹介した。

 フランス化粧品大手ロレアルは4月、江蘇省蘇州市に同社初のインテリジェント・フルフィルメントセンターを開設した。デジタル化されたシステムと自動仕分け・移動ロボットを使い、年間にD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)による注文5千万件と、法人顧客からの注文1700万件を処理でき、中国電子商取引(EC)市場の高まる需要に対応する。

 米紙ニューヨーク・タイムズはこのほど、米ソフトウエア会社ファクトセットの予測として、スタンダード・アンド・プアーズ500種指数を構成する米上場企業は、売上高の60%を米国内から得たものだとする一方、最大の海外販売先は中国だとし、「米大手企業の多くは収益のかなりの部分を中国に依存し、製品も中国のサプライヤーと工場に依存している」と伝えた。

 米経営コンサルティング会社ATカーニーがこのほど発表した「2024年海外直接投資信頼度指数(FDICI)」では、中国の順位が23年の7位から3位に浮上し、新興市場のトップとなった。

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