特殊詐欺 コンビニ店員が被害阻止 宮前署が2店に感謝状 川崎市宮前区

左から鴨下署長、今村さん、桜田さん

来店客に適切な対応をして特殊詐欺被害を防いだとして、宮前警察署(鴨下圭一署長)は5月23日、区内のコンビニ2店に感謝状を贈った。

表彰を受けたのは、セブンイレブン川崎向丘出張所前店と、ファミリーマート宮前小台一丁目店。いずれも、パソコン修理費の名目で、コードが記載されたプリペイドカードを購入させようとした手口を阻止した。被害者はパソコン使用時にウイルス感染。操作ができなくなり、修理窓口として画面に表示された番号に電話したところ、犯人からカードを購入するよう誘導されたという。

情報共有が奏功

セブンイレブンには4月23日夜、70代の女性が3万円分のカードを購入したいと来店。対応した店員が詐欺を疑い、居合わせたオーナーの今村友紀さん(66)が事情を聴き、警察へ通報した。

同店はこれまでにも特殊詐欺被害の抑止に貢献しており、感謝状は5度目。歴代の賞状は店内ATM近くに飾られている。今村さんは「スタッフみんなの意識が高い」と語り、日ごろから特殊詐欺情報を共有。「年配の利用者が多い店舗のため少しでも役に立てるようにしたい」と話した。

ファミリーマートでは5月2日午後5時頃、70代女性が「アプリに使う」と3万円分のカードについてレジに尋ねた。アルバイトの桜田英里奈さん(33)は「高額だったのと、ご年配だったため」声をかけた。

初めて詐欺を疑う場面に遭遇。しかし「怪しいと思ったら通報するよう従業員教育を受けていた」といい、警察に連絡した。「従業員に今回のことを共有して防止していきたい」と語った。

鴨下署長は「犯人に手が渡らないギリギリで阻止できることが重要。これからも助けていただきたい」と感謝を述べた。

© 株式会社タウンニュース社