復調2位・渋野日向子が3年ぶりのメジャーV・笹生優花を祝福拍手→“胸熱ハグ”に英メディア感動「微笑ましい」【全米女子オープン】

勝者を称える姿が脚光を浴びている。

現地6月2日、女子ゴルフのメジャー第2戦である全米女子オープン(米ペンシルベニア州・ランカスターCC)の最終日が行なわれ、トップと2打差の4位でスタートした渋野日向子が2バーディー、4ボギーの「72」、通算1アンダーの2位でフィニッシュ。3年ぶりに大会優勝を果たした笹生優花にわずか3打差届かなかったものの、日本勢によるワンツーフィニッシュを飾り、完全復活の足掛かりを掴んだ。

3日目まで首位につけていたアンドレア・リー(米国)、ウィチャネ・メーチャイ(タイ)、ミンジ・リー(オーストラリア)らが世界でも屈指の難コースに手を焼き、スコアを落とす波乱の展開に。渋野も例外ではなく、3番では数メートルのパーパットを外して痛恨のボギーを叩く。続く4番もボギーとなり、序盤でスコアを落としてしまう。7番パー5は3打目を1メートル弱に寄せてバーディーを奪い返すが、前半を2オーバー通算1アンダーで我慢のゴルフが続く。

しかし、12番パー3で満面の”シブコ・スマイル”が弾ける。カップまで、約7メートルの長いラインを沈めるバーディーパットが炸裂すると、渾身のガッツポーズ。完璧に読み切る見事なパットで、終盤戦へ弾みをつける。

以降はカップ近くに寄せる一打を何度かマークするも、結局バーディーは奪えず。パーでまとめて、最終的には単独2位に浮上。同組の選手が難しいパットを決めた時などは拍手で称え、ホールアウト後は互いの健闘を分かち合うハグを交わし、4日間の激闘を労った。
惜しくも4年ぶりのメジャー制覇は叶わなかったが、元全英女王の活躍は海外メディアも大きな関心を示していた。英国の衛星スポーツ放送局『Sky Sports』は、最終18番での渋野の振る舞いに注目。先の組でプレーしていた笹生がホールアウトすると、後方のフェアウェー上で両手を上げて拍手する姿が中継映像に抜かれると、「(優勝した)ユウカ・サソウに拍手を送るヒナコ・シブノの立ち振る舞いは、本当に微笑ましい」とX(旧ツイッター)に投稿。心が和むシーンだと紹介した。

同じく、勝者を称える渋野の姿に熱い視線を送ったのは英日刊紙『The Guardian』だ。同紙は「ヒナコ・シブノはいつものような笑顔を見せた」と指摘。「フェアウェーに戻ったサソウに対して、彼女は両手を高く上げて、まるで自分のことのように祝福した。満面の笑顔を見せている。シブノにとっては失望の瞬間だったはずなのに、スポーツマンシップ溢れる反応だ。とても素晴らしい姿である」と賞賛の言葉を送った。

渋野は自身のラウンド後、笹生と対面すると祝福のハグを即交わし、「おめでとう!マジで強い!」と絶賛の言葉を22歳の新女王に送った。記者会見では、「やりきった気持ちが強い」と語り、充実した表情で4日間のパフォーマンスを振り返った。

一流アスリートたる元全英女王の振る舞いに、英メディアは虜になっている。

構成●THE DIGEST編集部

© 日本スポーツ企画出版社