女王シフィオンテクが大坂なおみ戦の後に流した涙について「100%理解できる」と世界2位サバレンカが共感<SMASH>

現在開催中のテニス四大大会「全仏オープン」の女子シングルスで同大会2年連続2度目のベスト16進出を果たした世界ランク2位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)が、3回戦勝利後の記者会見に登場。今大会2回戦でマッチポイントを凌いで大坂なおみ(元1位/現134位)に勝利した前回女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が試合後に涙を流したことについて言及し、「彼女の気持ちは100%理解できる」と共感を示した。

シフィオンテクと大坂による大注目の2回戦は、現女王と元女王の意地と意地がぶつかり合う壮絶な打ち合いとなった。立ち上がりから両者一歩も譲らず、1セットずつを取り合って勝負の行方はファイナルセットへ。先にブレークを許したシフィオンテクは大坂のサービング・フォー・ザ・マッチとなった第9ゲームでマッチポイントを握られ絶体絶命のピンチに立たされる。

ここから大坂のミスに助けられる形で起死回生のブレークバックを果たしたシフィオンテクは終盤に2つ目のブレークを奪い、2時間57分の大激戦の末に7-6(1)、1-6、7-5で勝利。試合後にはSNS上でシフィオンテクがクールダウンを受けながら涙を流している映像が拡散され、ファンの間でも大きな反響を呼んだ。窮地を乗り切った安堵感から思わず感情があふれ出てしまったようだ。
現地6月1日に実施された3回戦で親友のパウラ・バドサ(スペイン/元2位/現139位)に7-5、6-1で勝利したサバレンカは、自身が前哨戦のマドリードとローマ(いずれもWTA1000)の決勝で敗れた宿命のライバルの涙を「映像で見た」と言う。

そしてシフィオンテクがディフェンディングチャンピオンかつ大会3連覇が懸かる非常に難しい立場であることを踏まえ、その時の所感を次のように明かした。

「彼女の気持ちは100%理解できるわ。あれ(大坂との2回戦)は非常に厳しい試合だった。彼女は負ける寸前だったわけだしね。あの涙はネガティブな感情ではなく、緊張から解き放たれたことによるものだと思う。私も(彼女の立場だったら)同じことをすると思うわ」

今季も熾烈な1位争いを繰り広げているシフィオンテクとサバレンカ。サバレンカのコメントはお互いをリスペクトしているからこそ出た言葉だと言えよう。今後も2人が切磋琢磨しながら女子ツアーを盛り上げてくれることを期待したい。

文●中村光佑

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