清閑亭問題「プロセスが適切か検証」 小田原・加藤市長が就任後初会見 海外マーケ事業は中止の意向

就任後初の定例会見に出席する加藤憲一市長=3日、小田原市役所

 5月の神奈川県・小田原市長選で4年ぶりに返り咲いた加藤憲一市長は今月3日、就任後初の定例会見に臨み、守屋輝彦前市長の下で進められた国登録有形文化財「清閑亭」の民間利活用事業について、「行政のプロセスが適切であったのか検証が必要。来月早々までには(問題点を)一通り当たりたい」との見通しを示した。また、前市長が高額な航空費をかけて渡米し、批判を浴びた海外マーケティング事業も中止する意向を示した。

 加藤市長は前市長時代に持ち上がった問題のうち、▽前市長が市立病院建設事業の業者選考直前に業者を訪問した事案▽近隣住民の反発も強い小田原少年院跡地の再開発事業▽清閑亭の選定業者との不透明な契約─を重点的に検証する方針。「職員のヒアリングをしていく中で必要であれば第三者を入れた検証の態勢も検討する」と説明した。

 清閑亭を巡っては業者公募の段階で禁じていた文化財の増築を業者選考後に一転して容認。この業者は県から営業許可を得ず、市と施設の賃貸借契約も結んでいない段階で実質的な営業を開始し、市も黙認していた。加藤市長は「施設見学もかつてほど自由にはできず、近隣住民とのトラブルもある。以前に近い形で見学が可能なら契約の見直しも考えたい」とした。

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