杉咲花は「おくゆかしい」「視線が強い」 ベテラン俳優陣が賞賛

ベテラン陣からの賞賛を受けた杉咲花

女優の杉咲花が3日、都内で行われた映画『朽ちないサクラ』の完成披露上映会に出席し、豊原功補安田顕らベテラン俳優陣との共演を振り返った。

本作は柚月裕子の同名小説を実写化したサスペンスミステリー。県警の広報職員・森口泉(杉咲)が、親友の殺害事件を独自に調べるうちに思わぬ真相と背後にうごめく公安警察の存在にたどり着くさまを描く。この日は杉咲、豊原、安田、原作者の柚月のほか、萩原利久原廣利監督も登壇した。

1万件以上の応募の中から選ばれた大勢の観客を前に、杉咲は「1年以上前に撮影した作品。ようやくお届けできることがうれしい」と感慨深げ。愛知県蒲郡での撮影が印象的だったといい、「桜がモチーフになった作品のため、『本当の桜を撮りたい』と蒲郡でロケをさせてもらったのですが、人生で一番美しい桜だったと思います。その迫力が作品にもきちんと映し出されています」と自信をのぞかせた。

捜査権限を持たない一人の女性が公安の闇に立ち向かうというストーリーだけあって、捜査一課係長役の豊原や、広報広聴課課長役の安田との共演も印象的だったという。豊原については「すごく張りつめたシーンが多かったので、現場にいるときは(役の)梶山浩介さんとして対峙していました。目の前にいるだけで圧倒されて、心がぐらっとさせられる感じがありました」と振り返り、「緊張感を感じながらの演技は豊原さんがいたからこそ。今日の舞台あいさつの前に笑ってお話をすることができてすごくうれしかったです」と明かす。安田に対しても「気さくにおちゃめにいてくださる安田さんといると心が軽くなる感じがありました」と感謝の言葉を述べた。

豊原と安田にとっても、杉咲との共演は印象的だったよう。豊原は「杉咲さんと現場で対峙した時から、原作のデジャブのような視線の強さ、立ち姿の凜とした感じに助けられました。一緒にいいものが作れたと思います」と絶賛。安田も「セリフだけしゃべっていても仕方がないので、今日何食べたとか、そんなお話もさせていただき、若干緊張感を欠けさせてしまったかも」とジョークを飛ばしつつ、杉咲について「奥床しさを持った方。芝居に対して明瞭さを瞳の奥に感じる方。一緒にお仕事をさせていただいてうれしかったです」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)

映画『朽ちないサクラ』は6月21日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開

© 株式会社シネマトゥデイ