小学館、ドラマ『セクシー田中さん』調査報告書を公表 作家との連携徹底へ

小学館が6月3日、日本テレビで放送されたTVドラマ『セクシー田中さん』の制作に関する調査報告書を公表した。

ドラマの原作漫画を手がけた芦原妃名子さんが、制作における行き違いを明かした後に亡くなった経緯や背景について、弁護士を交えた特別調査委員会が調査した結果が90ページにまとめられている。

小学館は公式サイトで公開したリリースで、「2024年1月、漫画家・芦原妃名子先生が逝去された事につきまして、改めてお悔やみを申し上げます。また、ご遺族にも深く哀悼の意を表します」とコメントしている。

認識の齟齬が大きく 日本テレビの報告書と同様の内容に

小学館の調査報告書によると、芦原妃名子さんを含めた自社側と日本テレビの制作側において、制作の初期段階から認識の齟齬が起き始めていたことが記されている。

その後も両者のズレは広がり続け、何度も脚本の修正を指摘し続けることになった芦原妃名子さんの負担が増大していった様子がわかる。

また、ドラマの脚本家にも小学館及び芦原妃名子さんの要望が十分に伝わっていなかったことが記されており、両者の溝を深めていった要因だと解釈できる。

日本テレビが5月31日に公表した調査報告書でも概ね同様のことが記されており、認識の齟齬が重なり続けた結果、双方にとって望まない方向に話が進んでいってしまったというのが実情となる。

なお、小学館の調査報告書では、再発防止の提言として契約書の早期締結やSNSの炎上対策が挙げられているほか、別紙で映像化の3つの指針を公開。

今後はこれを徹底するとしている。

小学館の映像化に対する3つの方針

① 映像化許諾を検討するにあたり、作家の皆様のご意思やご希望を確認し、そのご意向を第一に尊重した文書を作成し、映像制作者側と協議、交渉いたします。

② 映像化の検討段階から正式な許諾段階までの、映像化における各段階に適した文書(作家の皆様のご要望、許諾の条件、展開内容などを記載した文書)を作成し、作家の皆様に逐一確認をとりながら、映像制作者側と進めてまいります。

③ 社内における映像化への理解を深め、さらに知見を広げるために、社内セミナーを適宜実施してまいります。 小学館が公開した映像化の方針から

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