南京に「幕府」と名の付く地名があると批判、中国人ジャーナリストが反論

中国・江蘇省南京市に「幕府」と名の付く地名があることが物議を醸した問題をめぐり、中国のジャーナリストが「愛国ビジネスの一環」と批判した。

中国・江蘇省南京市に「幕府」と名の付く地名があることが物議を醸した問題をめぐり、中国のジャーナリストが「愛国ビジネスの一環」と批判した。

中国のSNS上に5月30日、「南京市の路線バスに日本の“幕府創業街”という地名があった。一体誰が命名して、誰が通過させたのか。関連部門による徹底的な調査を希望する」との投稿があった。投稿したユーザーは現地政府や南京大虐殺記念館、国営メディアなどをメンションして反応を求めた。

投稿は一部で物議を醸したものの、ほどなくして別のユーザーが「近年の研究結果では、南京市の幕府山という名称はすでに呉の時代(222~280年)に使用されていたと結論付けられている。日本の政治体制を表す幕府とは関係がない」と解説し、騒動は収束の様相を見せた。

本件について中国共産党系の環球時報の元編集長で、同党の広報的役割をしてきた胡錫進(フー・シージン)氏は3日、自身のSNSアカウントで「この“媚日”を問題視し挑発する事例は、先日の何を見ても日本の旭日旗に似ていると訴えたり、日本の中国系スーパーで販売されていた商品ラベルに日本を批判する文言が印字されていたり、また(靖国神社で落書きした)アイアンヘッドのパフォーマンスと同じ種類の注目を集めるための行為だ」との認識を示した。

その上で、「これらはわれわれの愛国主義とはかけ離れたものであり、彼らは自分たちの行為に対して(愛国ではなく)何か個別のレッテルを貼った方がいい」と批判。「中国は、対外的な駆け引きにおいても、内部的な団結においても、こうした行為には頼らない」と述べた。(翻訳・編集/北田)

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