ソニーグループ、熊本県合志市に画像センサー新工場を建設 スマホ向け需要増に対応 菊陽町に続く県内2カ所目

ソニーグループが合志市で建設する新工場のイメージ(同社提供)

 ソニーグループは5月31日、合志市に画像センサーの新工場の建設を決め、4月に着工したと発表した。菊陽町に続く熊本県内2カ所目の生産拠点で、主にスマートフォンに搭載するカメラ向けの画像センサーの需要増に対応する。合志市竹迫に昨年取得した土地27ヘクタールに、今年2月に取得した隣接地10ヘクタールを加えた計37ヘクタールに建てる。稼働時期や投資額は明らかにしていない。

 新工場はソニーの子会社ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(菊陽町)の、熊本テクノロジーセンター(TEC)に続く生産拠点となる。熊本TECや、半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)熊本工場(菊陽町)の北西側に位置する。

 この日、オンラインで開いた事業説明会で明らかにした。半導体事業会社のソニーセミコンダクタソリューションズの清水照士社長は、スマホ向け画像センサーについて「大型化が進んでおり、今後の市場の成長をけん引していく」と述べた。ただ、合志市の新工場への製造設備の導入時期については、「需要動向を見ながら慎重に判断する」とした。

ソニーグループの画像センサーの新工場建設地=5月25日、合志市

 ソニーグループの画像センサーの世界シェアは2023年時点で約5割で、25年に6割に高める目標を掲げている。菊陽町の熊本TECでは車載や産業用、一眼レフカメラ用などの画像センサーを生産しているが、新工場ではスマホ向けの生産が中心となる。

 ソニーグループは24~26年度の画像センサーの設備投資額を、21~23年度の約9300億円の約7割と見込んでいる。この大部分を、スマホ向けに当てるとみられる。

 ソニーグループはTSMC熊本工場の運営会社に出資しており、画像センサーに必要な「演算用ロジック半導体」の供給を受ける計画。TSMCは第2工場を今年後半に着工する予定で、27年末までの稼働開始を目指している。(山本文子、立石真一)

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