斎宮跡発掘作業を公開 飛鳥奈良時代の宮殿、解明へ 明和町・三重

【公開を始めた発掘調査現場=明和町竹川で】

 【多気郡】斎宮歴史博物館は3日、三重県明和町竹川の同館南で進めている史跡斎宮跡の発掘調査の現場公開を始めた。飛鳥・奈良時代の斎王宮殿を解明する。期間は10月18日まで。参加無料。

 発掘現場は同館南約500メートルの近鉄線路北側で、線路と道路に挟まれた三角形の土地。奈良時代の東西2つある斎王宮殿跡のうち西側に当たり、飛鳥時代の斎王宮殿跡とも重なる部分を発掘する。奈良時代の正殿や東脇殿、塀の跡の他、飛鳥時代の建物跡の発見が期待される。

 昨年度は隣の奈良時代の斎王宮殿東区画を発掘し、正殿と西脇殿が見つかった。正殿は斎宮の建物跡の中で最大規模だった。宮殿は正殿と東西の両脇殿が並び、周囲を塀が四角形に巡る。

 発掘調査では地面をひざ上まで手作業で掘り下げる。作業員はくわで土を掘り、一輪車で運んでいった。須恵器や土師(はじ)器のかけらが見つかると、ざるに入れていった。来場者は発掘作業や出土品を見学できる。

 同館調査研究課の小原雄也主任は「飛鳥・奈良時代の斎王の宮殿が重なる場所。9、10月には建物の様子がはっきりする」と話していた。

 公開は午前9時―正午、午後1―4時。土日祝は休日。雨天、水曜、7月29日―8月30日は休止する。問い合わせは同課=電話0596(52)3800=へ。

© 株式会社伊勢新聞社