半導体TSMC会長に魏哲家氏 「技術の優位」強調

台湾積体電路製造(TSMC)の株主総会で発言する劉徳音会長(中央)=4日、台湾新竹市(共同)

 【新竹共同】半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は4日、台湾の新竹市で株主総会を開催し、劉徳音会長が退く新体制を選出した。魏哲家最高経営責任者(CEO)が総会後に記者会見し、自身が会長兼任となったと表明。魏氏は人工知能(AI)向けの半導体の需要が旺盛な状況下で、同社の技術と競争できる企業はなく「優位は続く」と強調した。

 米中対立を背景にTSMCは生産拠点を分散化。熊本県の第1工場は今年10~12月に量産を始め、第2工場も年内に着工する予定。米アリゾナ州でも工場建設を進めているほか、ドイツでも工場建設を発表している。

 熊本県が誘致に意欲を示す第3工場については「第1工場と第2工場をしっかりやってから将来を考える」と述べ、具体的な言及はなかった。水資源の確保や地元住民との関係構築を巡り努力している最中で、今後の計画は「地元住民の賛同」を得てから考えたいと述べた。

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