「ピッチ内外で約束を破った」鎌田大地の発言に現地メディアが反応、期待外れに加え批判的な発言を糾弾「鎌田の言葉は少し不快」

ラツィオを1年で去る事となった鎌田大地[写真:Getty Images]

自身の去就について自らの口で語った日本代表MF鎌田大地。ラツィオからの退団が確実となった中、地元メディアが非難した。

今シーズンからラツィオでプレーしている鎌田。マウリツィオ・サッリ監督の下では輝きを失ったが、イゴール・トゥドール監督が就任すると才能が評価され、セリエAでは全試合に先発起用された。

その鎌田だが、クラブと1年契約を結び、3年間の延長オプションがついていた契約となった中、退団に傾いていた気持ちがトゥドール監督の下でプレーしたことで残留に切り替わっていた。

本人も「残留するつもりだった」と語ったが、交渉がまとまらず。「僕が望んだのは単年契約ということだけ」と、自身の要望には金銭面のことはなかったと語った。

しかし、鎌田の発言に対してイタリア『La Lazio Siamo Noi』が批判的な報道。「鎌田はピッチ内外で約束を破った」と題している。

同メディアは昨夏サウジアラビアへと旅立ったセルビア代表MFセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチの後釜に鎌田とフランス代表MFマテオ・ゲンドゥージを獲得したとし、「フランス人選手は期待を裏切らなかったが、逆に完全に失敗したのは日本人選手だった」と鎌田を酷評。「2ゴール2アシストと、シーズン最終戦での好パフォーマンスは、背番号6にとって悲惨な結果だ」としている。

フランクフルトでの実績を買われての加入となった鎌田。期待値も高かったが、サッリ監督のサッカーでは輝けず。「ビアンコセレステ(ラツィオ)のユニフォームを着た選手は、ブンデスリーガで高く評価されていたサッカー選手の目立たないバージョンだった」とし、「トラブルに見舞われ、ポジションを外され、サッリ時代には決して鋭敏ではなかったが、トゥドール監督の下で少しは良くなったが、要するにフランクフルトで見られた選手とは全く別人だった」と、期待外れだったとした。

また「要するに、大地は今シーズン本当にひどい成績を収め、そのパフォーマンスは日本人選手と彼の数字に大きく期待していたラツィオに影響を与えた」とし、期待に応えられなかった鎌田を糾弾することとなった。

鎌田は厳格な倹約家としても知られるクラウディオ・ロティート会長についても言及。「元々残る予定でしたけど、イタリアはイタリアのやり方で。ラツィオの会長(クラウディオ・ロティート会長)はイタリアの中でも有名なんですけど、大変なので。残りつもりでしたし、監督とも話してましたけど交渉が…」と語っていた。

『La Lazio Siamo Noi』はこの発言についても「インタビューの根幹にあるイタリアとロティートに関する決まり文句は、彼が絶対に有罪であるという状況から抜け出す方法だ。なぜならラツィオは別の行動を取るべきであり、また別の行動をとる可能性もあったからだが、事態の経過を考えると鎌田の言葉は少し不快だ。ただ考えが変わったと言うだけで十分だったが、どうやら彼にとって誠実な態度で心を開くのは難しいようだ」と苦言を呈している。

ラツィオ専門メディアであるだけに、クラブを批判されたことには黙っていられなかった様子。「大地は、約束を守らないという、ピッチでやったことをピッチ外の言葉でもやり、ビアンコセレステでの冒険を終えた」と締めくくった。

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