この夏、Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手たち(2024年版)

季節はまもなく夏。今年も暑くなりそうだが、それよりも熱い話題がここにある。そう、「Jリーグチームの外国籍選手補強」だ。

おかげさまで9年目を迎えたこの企画。今回もJリーグにやって来そうなオーラを纏った選手達を紹介していきたい。

今夏のトレンドはズバリ「中東リーグ」。大物外国籍選手の加入ばかりが注目されがちな一方、そもそも枠自体が多いため、今夏はコスパの良い優良外国籍選手やベテランのビッグネームが多く市場へ出て来そう。また、以前Jリーグでプレーした外国籍選手、自国リーグが終了した東南アジアのスター選手も狙い目と言える。

ちなみに、前回(2023年 冬)はガブリエル・シャビエルがファジアーノ岡山にやって来た。今回も誰かやって来るだろうか。選びに選び抜いた11名、ぜひご覧ください。

ジョシュア・キング

Joshua King

国籍:ノルウェー
ポジション:FW
年齢:32歳
所属:フリー ※前所属 フェネルバフチェSK(TUR)

イングランド・プレミアリーグで長らく活躍したアタッカー。

ガンビア人の父親を持ち、豊かなスピードとタイミングを外したシュートテクニックでゴールを狙う。本職は左ウィングであり、カットインからのシュートも武器だ。

2022-23シーズンに慣れ親しんだイングランドからトルコの名門フェネルバフチェへ移籍。主力として期待されたものの、負傷が相次ぎ期待されたパフォーマンスは見せられず。既に契約満了での退団が決定した。

年齢と負傷癖は気になるところだが、現在はコンディションを取り戻しており、ラストゲームとなった最終節では途中出場ながらゴールを決めている。

移籍金がかからないフリーの身となった今、百戦錬磨のベテランとして獲得に動くJリーグのクラグが出てきそうである。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

パコ・アルカセル

Francisco "Paco" Alcácer García

国籍:スペイン
ポジション:FW
年齢:30歳
所属:エミレーツ・クラブ(UAE) ※シャールジャFC(UAE)からローン移籍中

かつて名門バルセロナやドルトムントでプレーした経歴を持つストライカー。175cmと大柄ではないが、それを補って余りあるゴールセンスを持つ。またプレーエリアも広く、周りを生かすプレーにも定評がある。

2022-23シーズンにビジャレアルからUAE1部リーグのシャールジャFCへ移籍。その後、昨シーズン途中からアンドレス・イニエスタが加入したエミレーツ・クラブへローン移籍した。

エミレーツでは21試合7ゴールの成績を残したものの、監督交代の連続と守備陣の崩壊によりチームは2部リーグへの降格が決定。ローン先のシャールジャもリーグ制覇を逃しており、チームを刷新する可能性も。今後の行方は不透明といえる。

タイプ的にもJリーグとの相性は良いと見ており、今夏はビッグクラブが獲得に動くかもしれない。もしJリーグへやって来れば、多くの若手選手のお手本となりそうなタレントである。

【Jに来るかも知れない度】★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★

グジェゴシュ・クリホヴィアク

Grzegorz Krychowiak

国籍:ポーランド
ポジション:MF
年齢:35歳
所属:アブハ・クラブ(KSA)

フランス、スペイン、ロシアなどの名門クラブで活躍し、ポーランド代表としても多くの大舞台でプレー。186cmのサイズを生かした守備が魅力の中盤の潰し役だ。

2022-23シーズンはサウジアラビアのアル・シャバブ・リヤドでプレーし、今シーズンは同胞のチェスワフ・ミフニェヴィチ監督に誘われアブハ・クラブへ移籍。だがその後ミフニェヴィチは解任され、チームは2部降格の憂き目に遭ってしまった。

34歳となったが、経験に裏打ちされたボール奪取力は未だに錆びつきが見られない。守備とチームの雰囲気を引き締めたいクラブにとってはうってつけの存在であり、今夏のJリーグにおける「ビッグネーム枠」として推したい選手だ。

【Jに来るかも知れない度】★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★

クリスティアン・ゴミス

Christian Gomis

国籍:セネガル
ポジション:MF
年齢:25歳
所属:メゼーケヴェシュド・ジョーリSE(HUN)

広島ユースからトップ昇格内定が発表されたDF木吹翔太よりも高い身長204cmの超大型セントラルMF。その特大のサイズを生かしたボール奪取はもちろん、パリ・サンジェルマンのアカデミーで鍛えられた足元の技術や運ぶドリブルも定評がある。

昨夏に加入したハンガリー1部リーグのメゼーケヴェシュドではCBの主力選手としてプレーしたが、途中から監督の構想から外れ、チームは残念ながら2部へ降格。今夏は新たなクラブへ移籍する可能性が高い。

Jリーグは強度のあるチームが躍進中なだけに、今夏は獲得に動くクラブが出てくるかもしれない。唯一にして最大の課題はカッとなりやすい素行面か。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

ディエゴ・ローサ

Diego Gabriel Silva Rosa

国籍:ブラジル
ポジション:MF
年齢:21歳
所属:ロンメルSK(BEL) ※ECバイーア(BRA)からローン移籍中

かつてブラジルで「宝石」と言われた守備的MF。180cmとサイズがあり、長短のパスや破壊力抜群のミドルシュートが武器。献身的な守備も魅力だ。

U-17ブラジル代表でのプレーを経て、18歳でイングランドの名門マンチェスター・シティへ加入。その後シティ・グループのベルギー2部ロンメルなどでプレーするも芽が出ず、2023年からは同じくグループのECバイーアへ完全移籍。今季は再びロンメルでプレーした。

現時点ではバイーアへの帰還が有力視されているが、レギュラーとしてプレー出来るかは微妙なところ。今夏は多くのクラブが獲得に動きそうだ。日本でも横浜F・マリノスがシティと提携を結んでおり、武者修行先としてピックアップされる可能性は高そう。

横浜FM以外でも中盤の強度と構成力を高めたいクラブがリストアップしているかもしれない。リーグタイトルやアジアの頂を目指すために大きな戦力となることは間違いない。

【Jに来るかも知れない度】★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★

ラニエウ

Raniel Santana de Vasconcelos

国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:27歳
所属:フォール・ファカン・クラブ(UAE)

スピード、テクニック、強さを兼ね備えた181cmのストライカー。スペースへの走り込みや相手を背負ってのプレーも得意なマルチタイプだ。

昨シーズンは中国2部リーグの青島西海岸で15ゴールと活躍。その後UAE1部リーグのフォール・ファカン・クラブへ途中加入移籍するも、ここまで公式戦9試合2ゴールと目立った活躍を見せていない。先日UAEメディアにて「怪我をしているわけではないのに、数試合欠場中だ」と報じられており、チームの構想外となった可能性が高い。

実績は申し分なく、得点力不足に悩むチームにとっては何より欲しいゴールゲッター。市場価値的も下がっており、獲得に向け調査しているJリーグのクラブも少なくないだろう。

【Jに来るかも知れない度】★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

エヴァンドロ・コスタ

Ewandro Felipe de Lima Costa

国籍:ブラジル
ポジション:MF
年齢:28歳
所属:PFKロコモティフ・プロヴディフ(BUL)

東欧のブルガリアリーグで活躍する左利きのアタッカー。

ブラジル人特有のテクニックを生かしたキープ力とドリブルを武器に右サイドに君臨。U-20ブラジル代表歴を持ち、かつてはイタリアのウディネーゼに青田買いされた経歴を持つ。

今シーズンは強豪ロコモティフでリーグ戦31試合6ゴールと活躍。だが今夏に契約満了となるため、新たな活躍の場を求めるとされる。

東欧リーグ出身のブラジル人選手は市場価値のわりに良質な選手が多く、アジアのクラブも徐々に目を付けている印象。Jリーグのクラブも調査している可能性があるだろう。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

タイロン・コンラート

Tyrone Conraad

国籍:スリナム
ポジション:FW
年齢:27歳
所属:梅州客家(CHN)

スリナム代表の本格派ストライカー。

バネのような跳躍力とストライドの長いフォームからの抜け出し、左足でのシュートが武器。生まれ育ったオランダでは芽が出ず、ギリシャとモンテネグロリーグでブレイク。昨シーズン途中から加入した中国スーパーリーグの梅州客家でゴールを重ね、今年晴れてスリナム代表デビューを飾った。

今シーズンは降格争いに巻き込まれたチームにおいて、リーグ戦12試合2ゴールと停滞気味。バブルが弾けたとはいえ、中国のクラブは市場の開く時期に外国籍選手の入れ替えを行う傾向があり、移籍の可能性は十分あるだろう。

巻き返しへ向けた攻撃陣の起爆剤として魅力の選手であることは間違いない。仮にローンでの移籍となった場合はJ2のクラブも手が届きそうだ。

【Jに来るかも知れない度】★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★

グスタボ・サントス

Gustavo Santos Costa

国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:27歳
所属:SCラインドルフ・アルタッハ(AUT)

重戦車のようなゴリゴリとした突破からゴールを狙うストライカー。

2014年から2017年にかけて名古屋と熊本でプレー。その後はベトナム、ブラジル、ギリシャのクラブを転々とし、2022-23シーズンからオーストリアへ。2部のFCドルンビルンで13試合8ゴールと活躍し、今季から1部のSCRアルタッハへ移籍した。

アルタッハでは1部の高い壁に阻まれ、ここまでリーグ戦と活躍出来ずにいる。契約は2025年までだが、今夏はベトナムを中心とした東南アジアを含む多くのクラブが獲得に動きそう。

一方で慣れ親しんだJリーグへの復帰も十分考えられる。一皮も二皮も剥けた本格派ストライカーの進路はいかに..!

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★

ブエノ

Wellington Daniel Bueno

国籍:ブラジル
ポジション:DF
年齢:28歳
所属:フリー ※前所属:柏レイソル(JPN)

ヘディングやボディコンタクトなど身体能力の高さを生かしたボール奪取を武器とする182cmのCB。

かつて清水、神戸、鹿島、徳島、柏でプレーし、Jリーグクラブのサポーターにはお馴染みの選手だ。

昨シーズンに在籍した柏レイソルでは5月に右膝軟骨損傷で約6ヶ月間離脱し、シーズン終了後に契約満了にて退団。現在までフリーの身にある。

負傷後のコンディションやブランクは気掛かりだが、長い日本生活で培われた順応力は何より魅力。今夏は守備面に課題を抱えるJリーグのクラブが獲得に乗り出しそうだ。

【Jに来るかも知れない度】★★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★

グエン・クアン・ハイ

Nguyễn Quang Hải

国籍:ベトナム
ポジション:MF
年齢:27歳
所属:コンアン・ハノイFC(VIE)

「ベトナムNo.1」の呼び声高い左利きの攻撃的MF。

小刻みなステップから正確なパスやシュートを繰り出し、曲がって落ちる直接FKも武器。ハノイFCで主力として活躍後、2022年にフランス2部リーグのポーFCへ移籍。ベトナム人史上初のフランスリーグ所属選手となった。その後わずか1年でベトナムへ帰国していた。

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クアン・ハイに関しては先日、ベトナムメディアが「Jリーグ入りに動いている」と報じていた。コンアン・ハノイFCとの契約は今季限りで満了するとのことで、今夏はフリーとなる。

「新たな挑戦をするのは遅いのでは?」「グエン・コン・フォン(横浜FC)のように出場機会が減るのでは?」などの指摘もあるが、ベトナムへの市場開拓や提携国枠としての魅力は十分。果たして本当に獲得に動くクラブはあるのだろうか。

【Jに来るかも知れない度】★★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★

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