米J&Jに2.6億ドルの支払い命令、米オレゴン州陪審 健康被害巡り

Brendan Pierson

[3日 ロイター] - 米オレゴン州巡回裁判所の陪審は3日、米日用品・医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の製品原料タルク(滑石)に含まれるアスベストが原因で中皮腫を発症したと女性が訴えていた裁判で、J&Jに2億6000万ドルの支払いを命じる評決を下した。

補償的損害賠償が6000万ドル、懲罰的損害賠償が2億ドルで、原告と夫への損害賠償も含まれる。

J&Jの訴訟担当副社長エリック・ハース氏は「(評決は)タルクが安全で、アスベストを含んでおらず、がんを引き起こさないことを確認した数十年にわたる独立した科学的評価と矛盾する」と述べた。同社は上訴する意向で、評決が覆えると確信しているという。

同社の弁護士は原告が育った場所の近くの工場で使われていたアスベストが罹患の原因だと主張した。

J&Jはタルクを巡り6万1000人以上の原告から訴えられている。大半は卵巣がんに関するもので、中皮腫はごく少数にとどまり、ほとんどで和解している。

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