中国、天安門事件35年で広場の警備強化 SNSも写真変更できず

Laurie Chen Jessie Pang

[北京/香港 4日 ロイター] - 中国軍が学生らの民主化運動を武力弾圧した天安門事件から35年を迎えた4日、北京の天安門広場では警備が強化され、立ち入りが制限された。

広場を見下ろせる天安門城楼の公式ウェブサイトでは、4日は終日閉鎖されるとの通知文が掲載されていた。

また、天安門広場の公式アプリでも、4日の見学可能な時間帯は設定されていなかった。目撃者によると、広場前の道路である長安街は3日夜に歩行者と自転車の通行が禁止された。

「微信(ウィーチャット)」や「抖音(ドウイン)」といった中国の交流サイト(SNS)でもユーザーはプロフィール写真の変更ができなくなった。過去には一部ユーザーが6月4日前後にろうそくなど事件を象徴する画像に写真を変更した事例があった。

一方、遺族の会「天安門の母」は声明を出し、「35年が過ぎたが、当局は沈黙を守っている。インターネット上で見ることができるのは、1989年の学生運動によって悲劇的な事件が引き起こされたという『中国共産党の簡潔な歴史』だけだ」と指摘。「われわれは事実を無視したこのような弁明を受け入れることも、容認することもできない」とした。

<香港では警察が複数人連行>

香港国家安全維持法(国安法)や国家安全条例が施行された香港でも、警察官が繁華街にあるビクトリア公園周辺の警備を強化。施行以前、同公園では毎年6月4日に大規模なキャンドル集会が開かれていた。

ロイター記者は、警察が公園付近で複数人を連行したことを目撃。そのうちの1人は事件を追悼するポスターを掲げていた高齢の男性だった。

別の活動家アレクサンドラ・ウォンさん(68)は、花束を掲げて「民衆は忘れない」と叫んだところ、十数人ほどの警官に取り囲まれ、警察のバンで連行された。

中国外務省の毛寧報道官は記者団に対し「中国を中傷し、中国の内政に干渉する口実としてこれ(天安門事件)を利用する者に断固反対する」と述べた。

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