まるで「1984年」の世界……ロシアのオーウェル図書館が目指すもの

モスクワから車で4時間ほどのところにあるイヴァノヴォには、英作家ジョージ・オーウェルの図書館がある。

この図書館は、ウクライナへの全面侵攻が始まった後に開設された。中にはディストピア(反理想郷)世界をつづった小説や、全体主義の危険性に関する本が並んでいる。

この図書館を運営するアレクサンドラ・カラセヴァさんは、「現在のロシアの状況はオーウェルの『1984年』に似ている」と話す。

「1984年」は、「ビッグ・ブラザー(偉大な兄弟)」が人々を常に監視し、国家が心身をほぼ完全に支配する物語だ。

ここで借りられる本はロシアでは禁止されていない。しかし、題材は非常にデリケートだ。ロシアの過去や現在について率直に論じることは、問題を引き起こす可能性がある。

スティーヴ・ローゼンバーグ・ロシア編集長が取材した。

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