『95』髙橋海人&中川大志のアクションが炸裂! 翔の母・玲子とセイラは“共犯”関係に

ドラマ『95』(テレビ東京系)が6月10日に最終回を迎える。第9話では、Q(髙橋海人)や翔(中川大志)たちのチームとキューティーハニーがついに激突した。

決戦は1995年12月31日。翔たちが企てる「大晦日花火打上計画」の日だ。きっかけはQの後輩・健吾(井上瑞稀)からの「ヤバい情報を手に入れた」という一本の電話だった。この時すでに健吾はQを裏切り、牧野(三浦貴大)の手下に。Qをおびき出し、手薄になったチームをキューティーハニーが襲撃するつもりが、そこに翔も来てしまったことは健吾にとって予想外だった。

健吾がQと翔を相手に時間稼ぎをできるはずもなく、2人はマルコ(細田佳央太)、レオ(犬飼貴丈)、ドヨン(関口メンディー)が拉致されている敵アジトへと向かう。「レオたちはどこだ?」「一番上だよ」というやり取りから、その言葉通り数十、数百いるキューティーハニーを次々と倒していく光景はこれまでの『95』で最も大規模で気合の入ったアクションシーンと言っていいだろう。

エンドロールに流れるメイキング映像では、アクション指導を受ける中川大志らの姿が確認できる。中国拳法による髙橋海人の回し蹴りもすっかり様になってきているが、バイクに引きずられる関口メンディーが一番身体を張った演技かもしれない。

印象的なのは渋谷の夜空に打ちあがる一発の花火。それはチームの新城(渡邊圭祐)が打ち上げたもので、タイミング的にもキューティーハニーとの決戦の狼煙になっているのが演出としても美しい。RPGに例えるならば、Qたちはまだ大黒(勝矢)というボスにすらたどり着いていないが、そこには拳銃を持った宝来(鈴木仁)がゆっくりと近づいてきていた。牧野の手によって、かつての大黒と同じくヤク漬けになった姿は、カリスマモデルの悲しき顛末である。

また、第9話で特筆すべきはセイラ(松本穂香)と翔の母・玲子(斉藤由貴)のやり取り。翔とセイラとの間に出来た子供を守るために、2人は共犯となった。母として、祖母として、翔やQたちにも突き通さなければならなかった嘘。そう思えばどこか落ち着き払ったセイラ、玲子と大声で泣き叫ぶ翔が対照的でもある。

母親を連れて渋谷の街を出ていくことを決めたセイラ。何もできないと嘆く翔に、Qは「いつか会いに行こう。もしもその時、俺たちがどこかで別々に暮らしていても、今度は俺が集めるよ。みんなでセイラに会いに行こう。カッコいい大人になったってことを証明しに行くんだよ」と見違えた姿で投げかける。その“いつか”は彼らにやってくるのだろうか。たどりつきたい未来に向かって、Qたちの1995年が幕を降ろそうとしている。
(文=渡辺彰浩)

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