札幌地裁で初公判 ススキノ殺人事件 母親が無罪主張

札幌・ススキノで去年男性が殺害され、親子3人が起訴された事件で、遺体の遺棄などを手助けした罪に問われた母親の裁判がきょう札幌地裁で始まり、被告は無罪を主張しました。ススキノのホテルで去年7月恵庭の会社員男性が殺害され、頭部を切断された状態で見つかった事件では、札幌・厚別区の田村瑠奈被告ら親子3人が殺人などの罪で逮捕・起訴されています。きょうは娘の瑠奈被告が、被害者の頭部を自宅に隠すことを容認したなどとして、死体遺棄ほう助などの罪に問われている母親の浩子被告の初公判が行われました。起訴内容について問われた浩子被告は死体遺棄のほう助について「私が知った時にはもう(浴室に)置かれていた」「あまりに異常な状況でとがめることも認めることもできなかった」などと述べました。検察側は、瑠奈被告が殺した被害者の頭部を自宅に隠している情報を知りながら浩子被告はそれを容認していたなどと主張しました。弁護側は冒頭陳述で瑠奈被告が18歳ころから「自分の体に複数の人格が入り込んでいる」という妄想状態にあり、両親はそれを否定しないように生活するなど特異な親子関係にあったと説明しました。事件後に瑠奈被告から被害者の頭部を見せられた浩子被告は深い絶望感を抱いたものの、娘が逮捕されるまではこれまで通り生活することを選んだということです。その上で、浩子被告が事件を知ったのは、被害者の頭部が自宅に持ち込まれた後であり、遺体の遺棄を手助けした罪には当たらないなどとして、無罪を主張しました。今後の裁判では父親の修被告への証人尋問などが予定されています。

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