自宅から店舗まで無料で送迎 群馬・太田市が「買い物難民」支援のサービス開始

サービスに使う公用車と運転した周東さん(中央)、須田さん(左)ら利用者

 自宅から小売店が遠い「買い物難民」を支援する群馬県太田市の無料送迎サービス「お買い物クラブ」が3日、始まった。市の公用車で利用者宅と指定店を往復し、生鮮食品や日用品の購入を手助けする。初日は同市藪塚地区や沢野地区などで計9人がサービスを利用した。

 市によると、対象は①自家用車など自前の移動手段がない②世帯全員が70歳以上③食品スーパーなどから1キロ以上離れた場所に住んでいる―などを満たす人で、3日時点で88人が登録している。運転は登録制の有償ボランティアが担当し、主婦や定年退職者など70歳までの164人が手分けして行う。

 行政センター11カ所を発着点に、利用者宅と小売店を往復する。このうち、市藪塚本町行政センター発着便は3日午前、近隣の80代女性2人を同市大原町のスーパーマーケット「とりせん大原店」に送迎した。

 利用者の須田日出子さん(80)=同所=は昨年9月に運転免許証を返納した。1人暮らしのため、市内に住む娘に週2回、買い物の送迎を頼んできた。この日は保存食などを買い込み、「玄関まで迎えに来てくれて便利。娘の負担も減る」と笑顔を見せた。

 運転したのは元トラック運転手の周東和也さん(62)=同所。定年退職後、自由な時間が増えたため、地域に貢献しようと応募した。「事故を起こさないよう安全運転に努めたい」と抱負を述べた。 利用者とドライバーの募集は締め切ったが、市は「今後の状況次第で追加募集も検討していく」としている。

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