これは筆者が知人から聞いた、長年専業主婦だった女性が心機一転、働くことになった時のお話です。仕事が決まらず意気消沈していた彼女ですが、挫けずに頑張れた理由は……?
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息子たちが遠方の私立大学に進学「私も働かなければ!」
うちは旦那と息子2人の4人家族です。私は28歳で結婚を機に会社員を辞めて、50歳までずっと専業主婦でした。
このまま一生働きに出ることはないだろうと思っていましたが、上の子が遠方の私立大学に入学し、さらにその2年後に下の子も県外の私立大学に進学することが決まった時に、旦那のお給料だけでは生活費と学費が賄えなくなってしまったのです。
「こうなったら、私も働くしかない!」意を決してパートに応募するも、ことごとく落とされてしまう日々。
そして求人情報を見て電話した飲食店で、年齢を言ったとたん鼻で笑われた時、ついに私の心は折れてしまったのです。
「まともに働いたこともない50歳の主婦なんて、雇ってくれるところがあるわけないわよね……」
その後、求人への応募をストップし、暗い気持ちで過ごしていた私に、転機が訪れます。
笑いながら「厳しいのは当たり前」と言う姉……しかし、その後の言葉に感動
数日後、うちに遊びにきた2歳年上の姉に、求人に受からず落ち込んでいると話しました。
すると、10年以上同じ会社で保険の営業として働いている姉は「そりゃー専業主婦が仕事を見つけるって大変よ! 当たり前でしょ!」と笑い飛ばしてきたのです。
思わずムッとして「お姉ちゃんには、私の気持ちなんてわからないわよ」と言う私に、姉はこんなことを言いました。
「いやいや、私だって仕事場で年齢や容姿で若い子と比べられたり、ひどいこと言ってくる人だっているわよ? それでも、そんな奴らの言葉や態度にいちいち傷つく必要はないのよ。だって私たち、家族のために頑張っているだけでしょ? 恥ずかしいことなんて何にもしていないんだから。」
そう言われて私は、心のどこかで年齢や職歴がないことを「恥ずかしい」と思っていることに気がついたのです。
「私は家庭を守るために長年頑張ってきた。もっと自信を持っていいはず」そう思うと、自然と「もう一回仕事を探そう」と意欲が湧いてきました。
その後、仕事探しを再開した私は……
私は以前よりも積極的に求人に応募するようになりました。そしてその結果、引越し屋の荷造りのパートにつくことができました。
その職場は、境遇の似た同年代の女性が多く楽しく働けるので、息子たちが大学を卒業した今でも勤め続けています。
あの時、姉に相談していなかったら今の私はないと思うので、相談してよかったと感謝しています。悩んだときは一人で抱え込まず、親しい人に相談することも大事だと実感しました。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Hinano.N