石垣島の陸自「訓練」でハーリー参加へ 防災無線で周知、住民に戸惑いも 3行事に「公務」参加 八重山・沖縄

昨年の石垣市爬竜船競漕大会の閉会式でバンザイする石垣駐屯地の井上雄一朗司令〔右端)=2023年6月21日、石垣漁港

 陸上自衛隊石垣駐屯地が9日に竹富町や石垣市であるハーリー大会に舟の操作技術向上のための「漕舟(そうしゅう)訓練」として参加することが4日までに分かった。竹富町西表島では、ハーリーの参加について「自衛隊員による漕舟訓練、洋上訓練、地域奉仕活動などが実施されます」という町の防災無線が流れ、「訓練って何?」と住民から戸惑いの声が上がっている。

 石垣駐屯地は本紙の取材に「災害対応能力を向上する訓練の一環として参加する」と答えた。駐屯地は手こぎなどで進む渡河(とか)ボートを所有しているが、プールなど使用できる施設がないため舟の操作技術向上のためにハーリー大会に出場するという。

 9日に開催される西表島の白浜海神祭と石垣市伊原間のフナクヤハーリー、石垣市爬竜船競漕大会の三つの行事に「公務」で参加する。迷彩服は着用しないという。だが、昨年同様に井上雄一朗司令が来賓で招かれれば、井上氏は迷彩服姿で出席する可能性があるという。

 竹富町は防災無線で「訓練」と放送したことについて、「駐屯地からそのような説明があったのでそれを周知した」と答えた。

 西表在住の70代の女性は「上陸訓練をするのかと思った。町はもっと分かりやすく伝えてほしい」と望んだ。その上で、「自衛隊の訓練という言葉は戦争の道具を使ったものをイメージする」と不安視した。

 

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