無料化した福井市の木造住宅耐震診断に申し込み殺到 想定の5倍の300件、事業費を増額へ

福井市役所=福井県福井市大手3丁目

 福井県福井市は、本年度から無料化した木造住宅耐震診断の申し込みが殺到しているとして事業費を増額する。これまでに当初予算で想定していた5倍超の申し込みがあった。本年度一般会計6月補正予算案に約400万円を盛り、当初分を含め100件に対応する。

 市建築指導課によると、無料耐震診断の対象は1981年5月以前に着工された旧耐震基準の一戸建て木造住宅。2022年度末時点の推計では、市内約1万4千戸で耐震化が必要という。診断と補強プラン作成に計10万2千円かかるが、昨年度までは自己負担1万円で利用できるよう補助していた。23年度は28件の利用があった。

 能登半島地震を受け、自己負担額をなくして完全無料化した。当初予算では60件分を盛ったが、5月末までに300件超の申し込みがあった。ただ、全県的な需要の高まりから診断士が対応し切れないといい、6月補正予算案では新たに40件分を計上した。併せて、上限150万円の耐震改修費用補助も計8件分増額する。

 耐震診断は抽選で毎月20件ずつ公表している。申し込みは随時受け付けている。問い合わせは同課=電話0776-20-5574。

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