笹生優花と渋野日向子が一緒に練習 全米女子オープン優勝&2位から2日

メジャー翌週に練習ラウンドをともにした渋野日向子と笹生優花(撮影/村上航)

◇米国女子◇ショップライトLPGAクラシック by Acer 事前情報(4日)◇シービュー ベイコース(ニュージャージー州)◇6190yd(パー71)

「全米女子オープン」で優勝した笹生優花と単独2位に入った渋野日向子が、激闘の2日後に練習をともにした。メジャー翌週の7日(金)に開幕する3日間大会「ショップライトLPGAクラシック」を控え、午後からイン9ホールをプレー。互いの活躍をたたえながら、次の試合にさっそく目を向けた。

“共演”はこの日の練習場で突然決まった。事前コースチェックを一緒に行う光景が珍しくない2人とはいえ、大舞台でワンツーフィニッシュを決めたばかり。コースでツアーの仲間たちとすれ違うたびに、笹生には「コングラチュレーション」、渋野には「ナイスプレー」の声が飛んだ。

コングラチュレーション!(撮影/村上航)

大会2勝目の快挙を遂げた笹生は、移動に充てた前日3日(月)を含めて「数えきれないくらい」の数の、祝福メッセージへの返答が一段落したところ。「トロフィーは(自宅に)送ってもらいます。さすがにあれを持ってクルマでは移動できない」と笑った。

3年の間、待ちに待ったツアーのタイトルを手に入れた。世界ランキングは6位に浮上し8月の「パリ五輪」出場にも“当確”ランプがともった。新たな目標設定が必要そうでもあるが、目線の高さは「特には変わらないです」と言う。「今年決めた、けがなく全部のメジャーに出てシーズンを終えられたら。そこは変わらず。先週勝ったから、いきなり変えるのではなく、いつも通りで。今は今週に集中したい気持ち」とこの日も午後5時過ぎまで練習した。

ナイスプレー!(撮影/村上航)

“きのうの敵はきょうの友”…2人の間柄はそう表現されるべき関係性でもない。渋野は「敵っていう立場じゃないから。私がそう言える(高い)レベルにいない。私にとって(笹生)は頼りになる部分がありすぎる」と年下のメジャーチャンピオンについて語る。知識も、技術的にも学ぶべき点が多くあると感じているから「練習ラウンドを私からお願いすることはこれからもある。ちょこちょこ、ついていきたい」と、自分をより謙虚にさせてくれる存在だ。

今季ベストの成績をメジャーで残した。来季のフルシード獲得も見えた。惜敗を改めて振り返っても、「悔しいというよりかは、もうちょっとできたなって思う部分もあった。けれど、やっぱり(大会前までの)自分の状態を考えると…うん、良かったなって思います」と2つの前向きな感情が入り混じる。「もっと上を目指していけるように、引き続きやることはちゃんとやっていきたい」

9ホールの練習ラウンドを終えてがっちり握手(撮影/村上航)

2021年に笹生と畑岡奈紗がプレーオフを戦い、3年後に日本勢が再びリーダーボードのトップ2で並んだ。渋野は「自分が言うのもなんだけど…」と前置きして、激闘の結果をこう受け止める。「ゴルフ界にとってすごく良いことだとは思う。優花の姿や私の姿を見て、これから『アメリカに行きたい』と思ってくれるジュニアの子や、日本で戦っている選手がちょっとずつ増えてきてくれるとうれしいと思います」。思いを次世代にも託した。(ニュージャージー州ギャロウェイ/桂川洋一)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン