ロッテ・小川龍成「やってきたことがしっかり結果としてできている」昨秋から取り組む打撃スタイルが形に

「やってきたことがしっかり結果としてできているので、これからも継続してやっていきたいなと思います」。

ロッテの小川龍成は昨年11月に行われたZOZOマリンスタジアムでの秋季練習から“三遊間に低いライナーで打てる感覚”を身に付けるために必死にバットを振ってきたが、その成果がここへきて“形”になってきている。

直近の試合でいえば、5月30日のヤクルト戦、2-1の2回二死走者なしの第1打席、高橋奎二が2ボール2ストライクから外角ストレートをレフト前に弾き返したライナー性のあたりや、5月31日の阪神戦の初回、青柳晃洋が3ボール2ストライクから投じた7球目のインコース144キロストレートをレフトに放ったライナー性の二塁打などは取り組んできた形の打撃だ。

「どちらも2ストライクからのバッティングだったと思うんですけど、基本的に追い込まれたら粘るというところで、ああいった前に飛んだヒットはいいところだと思いますし、そこを狙い過ぎると自分の持ち味を出せずにアウトになったりしてしまう。そこは欲を出さずに追い込まれたからのアプローチを変わらずやっていこうと思います」。

2球で追い込まれながらも、そこからファウルで粘り、ボールを見極め四球を選ぶのも特徴のひとつだ。

「去年まではヒットを打ちたいという思いが強すぎた結果、なかなか持ち味が出せなかった。今は追い込まれたら前に飛ばさずに四球を選べるところができているというか、そこを意識している。打席でも余裕を持ってじゃないですけど、追い込まれてから粘る気持ちがある結果、そういったところがしっかりできているのかなと思います」。

『2番・二塁』で先発出場した4日の巨人戦の0-2の3回無死一塁の第2打席、セーフティバントのファウルで簡単に追い込まれるも、そこからファウルで粘りに粘って山﨑伊織が3ボール2ストライクから投じた12球目の146キロストレートを見送り四球を選びチャンスを広げ、ポランコの中犠飛、佐藤都志也の適時二塁打に繋げた。

この試合だけでなく、6打席全て出塁した5月31日の阪神戦でも3-1の5回の第3打席、島本浩也に対して2球で追い込まれるもファウルとボールを見極め7球目の外角144キロストレートを見送り四球を選べば、同日の4-4の10回二死満塁の第6打席、漆原に対し2球で追い込まれたが、そこから4球連続でボール球を見送り押し出し四球を選びサヨナラ勝ちということもあった。

小川は5月18日の日本ハム戦から14試合連続でセカンドで先発出場し、5月26日のソフトバンク戦から5月31日の阪神戦にかけて5試合連続マルチ安打、打席数も100(111打席)を超えた。

持ち味を発揮できているのも、打席の中で余裕が出てきているからだろうかーー。

「これだけ打席を立たせてもらっていますし、そういったところで1打席、1打席、意図を持った打席が増えているかなと思います」。

結果を残しているとはいえ、シーズンは残り91試合あり、この打撃を継続してできるかがレギュラー奪取へカギとなる。

「結果もしっかりついてきているので、自信になりますけど、まだまだまもないので、これからシーズン最後まで結果を出し続けるために1打席、1打席、1日、1日を大事にやっていきたいと思います」。

自分の生きる道を見つけた背番号“57”に慢心はない。今日も粘りの打撃で自分の持ち味を発揮していく。

取材・文=岩下雄太

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