中国海南島海岸域のマングローブ林、炭素蓄積量が国内最大

中国海南島海岸域のマングローブ林、炭素蓄積量が国内最大

空から見た海南東寨港国家級自然保護区のマングローブ林。(2月1日、ドローンから、海口=新華社記者/蒲暁旭)

 【新華社海口6月5日】中国海南省海口市でこのほど、海藻や海草などに取り込まれた炭素「ブルーカーボン」について話し合う国際フォーラムが開かれ、海南島海岸域に広がるマングローブ林の炭素蓄積量は1ヘクタール当たり273.6トンと国内最大であることが分かった。

 フォーラムには国内外の大学や研究機関、企業の専門家や研究者、代表らが出席。ブルーカーボンをキーワードに深く意見交換するとともに、国際プロジェクト協力を促進し、グローバル気候ガバナンスに貢献するための合意を形成した。

 ブルーカーボンは、気候変動緩和のための自然を基盤とした解決策(NbS)として国際的に認められており、温室効果ガスの吸収・固定や海洋生物多様性の保全、ブルーエコノミー(海洋経済)の発展に果たす役割が年々高まっている。

 中国科学院煙台海岸帯研究所の韓広軒(かん・こうけん)副所長は「国際的に認められているブルーカーボン生態系には、主にマングローブ林や海草・海藻藻場、塩性湿地などが含まれる。いずれも海南省に分布し、資源が非常に豊富である」と説明。海南省にはブルーカーボンの拡大で明らかな優位性があるとの見方を示した。

 フォーラムでは複数のデータによって、中国国内に自然に生息する37種のマングローブ植物が海南省に全て分布し、海南島海岸域に広がる海草藻場の分布面積が全国の64%を占めることが示された。

 ブルーカーボンの国際的な研究機関、海南国際ブルーカーボン研究センターは、同省初の炭素フラックス(移動量)観測システムとブルーカーボンのデータプラットフォームを構築した。同センターの林光輝(りん・こうき)首席科学者は「われわれはブルーカーボンを科学研究の場から応用市場へと向かわせ、市場の役割を存分に発揮させていきたい」と語った。(記者/王存福)

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