中国の研究者、洞窟魚の新種を発見 

中国の研究者、洞窟魚の新種を発見 

広西チワン族自治区で見つかったフクドジョウ科の新種「竜州中華喀鰍」。(資料写真、南寧=新華社配信)

 【新華社南寧6月3日】中国広西チワン族自治区の広西師範大学、南寧師範大学、浙江省森林資源モニタリングセンターなどの研究者がこのほど、魚類の新種に関する研究成果を動物学の国際学術誌「Zoosystematics And Evolution」に発表した。同自治区崇左市竜州県の地下鍾乳洞で目の退化した白い魚を発見し、形態学や分子系統学の研究により新種と確認。発見場所にちなみ「竜州中華喀鰍」(Karstsinnectes longzhouensis)と名付けた。

 論文の筆頭著者を務めた広西師範大学生物科学専攻の学部生、葛家玥(かつ・かげつ)さんによると、竜州中華喀鰍は洞窟の地下水脈に生息する盲目魚で、目を完全に失っているか、小さな点のような状態になっている。水晶体はなく、体の表面色素は白く抜け、全身が半透明で内臓が透けて見える。うろこは退化し体表は滑らかで、ひげは短く、胸びれは長い。尾柄(びへい)の上下によく発達した尾鰭褶(きしゅう)がある。これらの特徴と性状により同属の魚と区別される。

 竜州中華喀鰍が属する中華喀鰍属(Karstsinnectes)は、2023年にコイ目フクドジョウ科に新しく設けられた中国固有属で、これまでに珠江流域の広西チワン族自治区中西部と北部、貴州省南部で分布が確認されている。典型的な洞窟魚で長期にわたり洞窟の水環境に生息し、目を失い、体が透明になるなど識別しやすい特殊な形状適応性を持つ。

 これまでのモニタリング結果に基づく竜州中華喀鰍の生息環境は中国・ベトナム国境域を流れる左江流域の鍾乳洞の地下水脈のみで、分布範囲は非常に狭く、個体群もまばらとなっている。(記者/林凡詩)

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