五島産業汽船に1000万円融資 資金繰り逼迫で 長崎・新上五島町 

 長崎-新上五島町・鯛ノ浦間で町所有の高速船2隻を運航する五島産業汽船(同町)の資金繰りが燃料費高騰などで逼迫(ひっぱく)しているとして、町が同社に対して1千万円を融資したことが4日、分かった。石田信明町長は取材に対し「島民の利便性を重視した上での判断」としている。
 同社は町の高速船「びっぐあーす」(293トン、定員300人)「びっぐあーす2号」(295トン、同)の指定管理者で1日2往復運航。2号は昨年11月まで九州商船(長崎市)が佐世保-同町・有川間で運航していたが指定管理期間満了に伴い、今年4月から五島産業汽船が運航している。
 町によると、町民の利用は増えたが、島外からの利用の伸びが少なく、燃料費の負担が大きくなるなど、資金繰りに影響したという。特定団体の公益的事業を推進する条例に基づき特別融資基金から貸し付けた。
 石田町長は「2隻体制の周知徹底ができれば利用客の増加を見込める。今後も会社の運営状況をチェックし、対応を町議会と協議していく」と述べた。

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