生徒として乗船、りあす丸有終に万感 宮古水産高出身の教員

「りあす丸」と長く航海を共にしてきた宮古水産高教諭の福士智哉さん。万感を胸に集大成の航海に出る=宮古市・宮古港藤原埠頭

 17年前、生徒として乗った岩手県共同実習船・りあす丸(499トン)の最後の遠洋航海に、教え子と臨む。宮古水産高卒業生で教員の福士智哉さん(34)は5日、約2カ月に及ぶマグロはえ縄漁実習のため、宮古港をたつ。海のなりわいと復興を担う「未来の船乗り」の成長を20年以上支え、本年度で役割を終えるりあす丸との思い出、感謝、さみしさ。万感を胸に、大海へこぎ出す。

 5日は全校生徒らが見送る中、海洋生産科船舶運航コースの2年生8人と専攻科漁業科1年生5人を乗せて藤原埠頭(ふとう)を出航する。米ハワイ沖で14日間マグロ漁をし、航海や漁業の技術を学ぶ。ホノルルに立ち寄った後、焼津市(静岡県)の港へ水揚げし、7月29日に帰港する。

 りあす丸はその後、11月下旬までの沿岸航海や潜水実習を経て、来年3月完成予定の新船(699トン)が使命を引き継ぐ。

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