養殖ワカメが記録的不漁 岩手県2024年産、しけや高水温響く

水揚げしたワカメのボイル作業。しけや高水温の影響で2024年は減産となった=3月、陸前高田市・広田漁港

 2024年産の岩手県産養殖ワカメは記録的な不漁となった。数量は9371トン(前年比16.9%減)で、東日本大震災後の12年以降で初めて1万トンを下回った。品薄感から主力の塩蔵芯抜き1等の平均単価(10キロ)は2万9399円(同50.4%増)と高騰。収穫前のしけや高水温の影響が響いた。

 県漁連によると、24年産の入札会は3~5月に計6回の開催を終えた。塩蔵芯抜き1等の平均単価が2万円を上回るのは、19年産以来5年ぶり。過去10年平均比では2倍近くに高騰した。全体の金額は35億6900万円(同12.9%増)。

 全体の数量は12~18年に1万4千~1万6千トン台で推移。19年に1万890トンに落ち込み、低調が続く。今年の減産要因は、2月のしけで養殖施設に被害が出た影響が大きい。同じく主産地の宮城県もしけで本県産以上に減産となった。高水温の影響で生育も進まなかった。

 

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