戊辰戦争で援軍「強い絆」 長崎・大村市と秋田・仙北市 姉妹都市45周年祝う

祝賀会で披露された「飾山囃子」=大村市幸町、パークベルズ大村

 長崎県大村市と秋田県仙北市(旧角館町)は、姉妹都市提携45周年を祝う式典を大村市内で開いた。幕末維新期の戊辰(ぼしん)戦争で大村藩が秋田(佐竹)藩に援軍を送った歴史を踏まえ、田口知明仙北市長は「全ては大村藩のおかげ」と述べ交流の継続を確認した。
 両市によると、戊辰戦争では佐竹藩が東北で唯一新政府軍側に立ち、周囲の旧幕府軍の攻撃を受け孤立。大村藩に援軍を求めた。1868(明治元)年9月、大村藩は秋田・刈和野で旧幕府軍と激戦を繰り広げ、角館を守り抜いた。大村藩の鼓手で、15歳の濵田謹吾少年が戦死した時の軍服に、子を励ます母親の和歌が縫い込まれていたエピソードは、今でも両市で広く知られている。
 1979年に姉妹都市になって以来、両市は行政や民間で交流を続けてきた。大村市幸町のパークベルズ大村で5月31日にあった式典には両市の関係者約100人が出席。田口仙北市長は「大村藩士が命を賭して守った角館は東北を代表する観光地になった。直接皆さまにお礼ができありがたい」と述べた。園田裕史大村市長は「親戚や友人が帰ってきたような空気を感じる。絆がこの先も永遠に続くことを祈念する」と述べた。
 祝賀会には大村市の他の姉妹都市・友好交流都市の関係者も出席。角館の伝統芸能「飾山囃子(おやまばやし)」が披露された。

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