豪GDP、第1四半期は予想下回る0.1%増 高インフレで消費さえず

Wayne Cole

[シドニー 5日 ロイター] - オーストラリア統計局が5日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.1%増加し、市場予想の0.2%増を下回った。

高水準の借り入れコストとインフレの高止まりが個人消費にブレーキをかけた。

前年比では1.1%増加し、前四半期の1.5%増から鈍化、コロナ禍の時期を除いて過去30年で最も低い伸びとなった。

GDPの半分を占める家計支出は1.3%増とわずかな伸びにとどまった。そのほとんどは電気代や医療費など必需項目に対するもので、裁量支出は前年比でほぼ横ばいだった。

また、貯蓄率が過去最低の0.9%に低下。将来の購買力に懸念となりそうだ。

キャピタル・エコノミクスのアジア太平洋経済担当責任者、マルセル・ティエリアント氏は「パンデミック(コロナ大流行)以前は貯蓄率が5%程度であったことを考えると、生活費の高騰、利払い、税金によって家計が深刻なプレッシャーに直面していることが分かる。前期は実質所得が低迷しており、その圧力はまだ完全に消えていない」と語った。

3月までの1年間の名目GDPは3.5%増の2兆6000億豪ドル(1兆7300億ドル)、1人当たりで9万8224豪ドルに達した。

しかし、インフレの影響を除くと、1人当たりGDPは前期比0.4%減、前年比1.3%減となった。

この1人当たりGDPの「リセッション(景気後退)」は、過去30年間平均の2倍の2.5%という年間人口増加率につながった移民ブームを反映している。

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