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ワンコイン野球教室に送迎用ハイエース…鍵は保護者目線の運営
未就学児で野球を始めるのは、決して早過ぎではない。小学校入学前の子どもたちへの競技普及が選手を集めるカギになる。野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が4日、全国の少年野球チームの運営方針や練習メニューを紹介するオンラインイベント「少年野球フェスティバル」を開催。選手数が増えているチームには、園児とその保護者に目を向ける共通点があった。
5夜連続で開催している「少年野球フェスティバル」の2日目は、全国大会常連チームや創部したばかりのチームなど、全国10チームが動画に登場した。野球の競技人口減少によってチームの合併や消滅が叫ばれる中、選手数不足とは無縁のチームもあった。
2021年に設立した東京・城東ベースボールクラブは部員数が80人に上る。チームの特徴は保護者の負担軽減と未就学児への競技普及にある。お茶当番や選手の送迎といった保護者の役割は一切なし。チームで送迎用のハイエースを3台所有している。
また、住んでいる地域に関係なく、3歳以上の子どもを対象にしたワンコイン野球教室を開いている。子どもたちがボールやバットに触れる機会をつくり、楽しさを知ってもらう目的がある。参加費を無料にせず500円としているのは、チームに加入しなければいけない雰囲気をつくらないためだという。
ゲストコメンテーターとして出演した滋賀・多賀少年野球クラブの辻正人監督は、チーム運営を重視する方針に賛同した。選手数が足りなければチームは活動できないため、「保護者の目線でチームを運営して、その中で良い指導をすること大事です。『この環境なら子どもに野球をやらせてみたい』と保護者が思わないと、選手が集まらないですから。野球教室がワンコインであればハードルが下がって、1回行ってみようという気持ちになるので良いと思います」と語った。
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スポーツを始めさせたいタイミング「意外と持て余している」
ワンコインの野球教室を実施しているチームは、イベント初日にも登場した。鹿児島・加治木ホワイトヒーローズも1回500円で、未就学児に野球を体験する場を設けている。チームが活動する姶良市は人口7万8000人ほどの小さなまちで少子高齢化が進んでいるが、選手数は40人と県内でトップクラスだという。
自身も未就学児を指導している辻監督は、「未就学児は意外とエネルギーを持て余しています。お母さんが手に負えなくなってきて、スポーツでもやらせようと思っている時期です」と園児に向けた競技普及の大切さを強調する。園児や初心者を教える時間は、他の学年の練習をせず、できるだけ多数の指導者で子どものレベルに合わせた練習をするように心掛けているという。
多賀少年野球クラブに所属する選手も現在、未就学児から小学6年生まで140人に達している。選手集めに成功しているチームには通じるところがある。(間淳 / Jun Aida)
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