長崎IR 国と「認識に隔たり」 不認定巡り報告書発表

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備計画の不認定を巡り、長崎県は4日、国の審査結果についてまとめた報告書を発表した。不認定の理由とされた資金調達などの問題は、国と「認識に隔たりがある」と主張しつつも、審査委員会の「裁量が大きい」などとし、結果を受け入れる方針を改めて示した。
 県は佐世保市のハウステンボス(HTB)にIRを整備する計画を申請。国は昨年末、総事業費約4383億円の資金調達やIR事業者の運営能力などを疑問視して認定しなかった。
 報告書で県は「国際的な商慣習に基づき計画を作成した」と国に反論。しかし、認定は審査委の「裁量に委ねられている」などとし、計画実現は困難と判断した。再申請は現行制度では「ハードルが高い」とした。
 今後の県北地域の活性化に向け、HTBを基軸とした観光振興をはじめ、農林水産物や歴史文化、産業などの地域資源を生かすとした。
 県は資金調達の調整役だった米金融大手キャンター・フィッツジェラルドの意見書も公表。同社も県と同様に審査結果に疑問を呈した。県に再申請に向けた準備の継続を促し、「当社も再び参画してサポートできるよう努める」とした。
 報告書は県ホームページで閲覧できる。

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