ピアノとフルートが織りなす極上の時間 上杉春雄&小山裕幾 デュオ リサイタル

梅雨の湿っぽさを吹き飛ばすかのような、ピアノとフルートによる爽やかなデュオ・リサイタルが開催される。

このふたりの共通点は、一般大学で学びながら音楽の道を極めたこと。これは既存の音楽教育に一石を投じるほどのインパクトだ。ピアノの上杉春雄は、北海道大学医学部在学中にメジャーレーベル・デビューを果たしながら、医学の道を極めるべく東京大学大学院医学研究科に進み、現在は、医者としての重責を果たしつつ、ピアニストとしても第一線で活躍する“二刀流”だ。

一方、フルートの小山裕幾は、慶應義塾大学理工学部を卒業後に渡欧。現在は、フィンランド放送交響楽団の首席フルート奏者を務める強者だ。

共に理系であることは、物理学者アインシュタインがヴァイオリンの名手であったことや、密林の聖者シュヴァイツァー医師がオルガンの名手であったことに通じるか否かは定かではないが、そこには、持って生まれた才能のみならず、道を極める意欲と根気が作用していることは間違いない。

このふたりが今回用意したプログラムは、ベートーヴェン、J.S.バッハ、シュルホフ、ドビュッシーにプーランクという魅力的なもの。このひねりの効いた選曲にも、個性的な道を歩んできたふたりの考えが反映されているようで興味深い。

上杉春雄(Pf)小山裕幾(Fl)デュオ・リサイタル

7月5日(金) 19:00開演
ザ・ルーテルホール

7月9日(火) 19:00開演
市ヶ谷ルーテルホール

https://office-vega.net/event/20240709uesugi_koyama/

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