太平嶺原発1号機、主要構造部が完成 中国広東省

太平嶺原発1号機、主要構造部が完成 中国広東省

太平嶺原発1号機のドーム屋根吊り上げ作業。(2021年12月24日撮影、深圳=新華社配信)

 【新華社深圳6月5日】中国原子力大手、中国広核集団が広東省で建設中の太平嶺原子力発電所1号機で5月30日、原子炉建屋の屋根ドームのコンクリート打設が完了した。1号機は主要構造部が完成し、営業運転に向けた基礎を築いた。

 原子炉は中国が独自に開発した第3世代原子炉「華竜1号」を設置する。大容量の二重格納容器を持ち、内殻は事故の際の内部の温度や圧力の上昇を抑制し、外殻は衝撃など外的災害から内殻と内部構造を保護する。

 1号機原子炉建屋の土木・鋼製ライニング施工を担う中国建築第二工程局(建設大手の中国建築傘下)の担当者によると、1号機の外殻は円筒体、受動余熱除去システムの貯水槽、半球形ドームの3構造からなり、今回完成したのは半球形ドームの屋根で半径36メートル、壁の厚さ1.5メートル、高さ約11メートル。完成により原発ユニットの安全性と密閉性が向上する。

 太平嶺原発の建設は順調に進んでおり、1号機は年内の燃料装荷と送電網接続を予定し、2号機は設備取り付けのピークに差し掛かっている。1、2号機共に2025年の営業運転開始を見込む。太平嶺原発は華竜1号を6基設置する計画で、全原子炉が営業運転を開始すると、年間発電量は500億キロワット時を超す。石炭消費(標準炭換算)1500万トン以上の節約、二酸化炭素(CO2)約4120万トンの排出削減の効果があり、11万3千ヘクタール近い森林を植林するのと同じ環境保護効果をもたらす。(記者/王豊)

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