絆会「特定抗争指定暴力団」初の指定へ 六代目山口組との抗争激化、意見聴取に姿見せず 兵庫県公安委

兵庫県警本部(神戸市中央区)での意見聴取会 絆会側は姿を見せず<2024年6月5日午前>

対立抗争とみられる事件が相次ぐ指定暴力団「六代目山口組」(神戸市灘区)と「絆会」(大阪市中央区)について、兵庫や大阪など6府県の公安委員会が、暴力団対策法に基づき活動を大きく制限する「特定抗争指定暴力団(※)」に指定する手続きに入った。

【画像】絆会 意見聴取会の様子

このうち、兵庫県公安委員会は5日午前、兵庫県警察本部(神戸市中央区)で絆会に対する意見聴取を行う機会を設けた。絆会側は欠席したが、手続きに影響はなく、早ければ6月中にも指定する見通し。絆会は初の指定となる。近く六代目山口組にも同様の機会を設ける。

絆会は六代目山口組から分裂して発足した神戸山口組の一部直系組員らが離脱し、2017年4月30日に結成された。

両組織をめぐっては、2022年1月、茨城県水戸市で六代目山口組系組織の幹部が射殺され、絆会の幹部(55)が殺人罪などで起訴された。この幹部は2023年4月、神戸市長田区のラーメン店で起きた六代目山口組系組長の殺害にも関与した疑いが強まり、兵庫県警が詰めの捜査を進めている。

警察庁によると、2017年以降、両組織がからむ事件が10件確認されている。

特定抗争指定暴力団に指定されると、公安委が定めた警戒区域内で、事務所への立ち入りや組員がおおむね5人以上で集まることなどが禁止される。違反が確認された場合は警告なく逮捕することができる。

特定抗争指定暴力団の指定は、今回で4例目となる。これまでに▼「九州誠道会(福岡県大牟田市・解散後別団体に)」と「道仁会(同県久留米市)」~いずれも2014年に解除 ▼「六代目山口組」と「神戸山口組」 ▼「六代目山口組」と「池田組(岡山市北区)」が指定されている。

※指定暴力団のうち、対立抗争状態にあり、市民の生命・身体に重大な危害を加えるおそれがあるとして、都道府県公安委員会が指定した組織。2012年10月の暴力団対策法改正により制度化された。今回は、兵庫、大阪、滋賀、茨城、三重、愛知の6府県が該当する。

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