「猫は死期を悟ると、お別れのサインを出す」と聞いたことはありませんか? 知人は実家で飼っていた猫からお別れのサインを出されたので、休暇をとって駆け付けました。ところが、その後……? 何が起きたのか知人から話を聞きました。
実家からの知らせ
地元を離れ、ひとり暮らしをしていたA子に、実家の母から連絡がありました。実家で飼っていた猫の様子がおかしいと言うのです。
「最近急に猫が元気がなくなったの。もう高齢だし、余命は長くないかもしれない」と言う母。「A子の服を引っ張り出してきて、弱々しい鳴き声で何かを訴えかけてくるのよ。最後のお別れをしたがっているのかもしれない」と言われたA子は、心配になってしまいました。
A子はその猫のことをかわいがっていましたが、猫のほうはA子になついてくれず、いつも素っ気ない態度だったのです。
そんな猫が自分を呼んでいるなんて、何かあるに違いない。そう思ったA子は、すぐに有給休暇を取って実家の猫に会いにいくことにしました。
帰省して猫と対面
「帰って来たよ!」とA子は猫に近づきました。ところが、猫はA子に塩対応。声をかけてもぷいと無視され、体をなでても迷惑そうな様子を見せます。
「あれ? 思っていた反応と違う……」と、A子は戸惑いました。
母は電話で「元気がない」と言っていましたが、ご飯はしっかり食べるし、いつも通りに自由気ままに遊んでいます。その様子を見た母は、「これは仮病だね」とボソリ。
たまに、猫も仮病を使うことがあるのだとか。
肩透かしを食らったA子ですが、「元気そうならいいか」とほっと一安心。
せっかく数日間有給休暇をとったので、そのまま実家に泊まってゆっくりと過ごすことにしました。
猫が助けてくれた!?
のんびりと休暇を楽しんでいたA子ですが、ニュースを見て驚きました。なんと、A子が住んでいるマンションに車が突っ込む事故が発生していたのです。
「もし実家に帰省していなかったら……」と想像したA子はゾッとしました。
もしかして、トラブルを回避させるために仮病を使ったの? と猫を見つめましたが、猫は相変わらず知らんぷり。
その猫の様子を見ながら、A子は不思議な気分になったそうです。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:江田愉子