メタバース プロダクション、世界遺産「軍艦島」の3Dデータをバーチャルプロダクション向け背景素材として7月5日より提供開始

東北新社、電通クリエーティブX、電通クリエーティブキューブ、ヒビノ、オムニバス・ジャパンが推進する共同プロジェクト「メタバース プロダクション」は、世界遺産をはじめとする貴重な自然や文化を3Dデータ化・活用することで保全活動に還元していくプロジェクト「HERITAGE DATABANK(ヘリテージ・データバンク)」と連携し、世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産のひとつである端島炭坑(通称:軍艦島)の3Dデータをバーチャルプロダクション(※1)向け背景素材として、軍艦島が世界遺産に登録されることが決定した日に合わせて、2024年7月5日(金)より提供を開始する。

軍艦島は、長崎港から南西約18kmの海上に位置し、海底炭鉱の島として栄え、日本初の鉄筋コンクリート造による住民向けの⾼層アパートが建築されるなど、明治日本の近代化を支えてきた。2015年に世界遺産に登録された「明治⽇本の産業⾰命遺産」の構成資産のひとつ軍艦島は、近年は観光客向けの上陸ツアーが盛り上がっているという。一方、1974年に炭坑が閉山し、人が住まない建物は老朽化が進んでおり、地理的・技術的理由からその保全は困難を極めているという。

HERITAGE DATABANKは2023年に始動し、世界遺産をはじめとする貴重な自然や文化を3Dデータ化して保存し、さまざまな企業・団体とともにそのデータを活用する保全プロジェクトを進めている。その第一弾として、長崎市協力のもと10日間にわたり全島を撮影。⽴⼊禁⽌区域や構造物の内側を含め、デジタルアーカイブ化に成功した。

今回、メタバース プロダクションはHERITAGE DATABANKと連携し、デジタルアーカイブ化された軍艦島の3Dデータをバーチャルプロダクションで利用できる背景素材として提供する。同素材はUnreal Engineで開発され、インカメラVFX撮影に対応しており、メタバース プロダクションが提供するPXサービスとして利用可能。素材使用料の一部は、長崎市へ軍艦島の保全予算として還元される。

メタバース プロダクションは、今後も各社と連携を深め、業界の垣根を越え、"映像制作の新たな選択肢"として選ばれ続けられるよう、Production Transformation(映像制作トランスフォーメーション)につながるPX(※2)サービスの拡充・拡張を目指すという。

※1 バーチャルプロダクション:背景となる高精細LEDディスプレイに仮想空間を投影し、その前の被写体と合わせて撮ることで、自然な合成映像をリアルタイムにつくる映像制作手法

※2 PX:プロダクション・トランスフォーメーション(Production Transformation)の略

© 株式会社プロニュース