液体洗剤を自動で投入する卓上型食洗機、パナソニックが3年ぶりのフラッグシップモデル

パナソニックは6月4日、3年ぶりとなる卓上型食器洗い乾燥機のフラッグシップモデル「NP-TZ500」の新製品体験セミナーを開催した。「液体洗剤自動投入」や「おまかせコース」を搭載したり、1回分の使用水量約9.9Lの節水性を高めたりした。6月下旬の発売。価格はオープンで、実売想定価格は10万5000円前後。

卓上型食洗機で3年ぶりの新製品となる「NP-TZ500」

「液体洗剤自動投入」の仕組みとは

NP-TZ500の「液体洗剤自動投入」は、庫内の水の濁度を検知する「汚れセンサー」で食器の汚れ具合を見極めて、本体内の洗剤タンクから適量の液体洗剤を自動で注入する。汚れセンサーは庫内の底の部分に設置している。

庫内の左手前にある洗剤タンク
汚れセンサーが濁度から汚れの度合いを検知

「食洗機あるある」では、皿の量や汚れに応じて液体洗剤をどれだけ入れたらいいのかわからないことがあげられる。

洗剤ボトルの説明を読んでキャップのメモリを見ても、料理内容や油の多さなどにより適量がわかりにくい。投入量が少なくて汚れ残りを気にして、過剰投入しがちというケースも少なくないだろう。

また、「そもそも洗剤入れたっけ?」と、洗剤を入れたことを忘れてしまうこともしばしばだろう。

汚れ具合に合わせて最適な量を投入してくれる「液体洗剤自動投入」は、そうした悩みから解放してくれる便利な機能だ。また、「液体洗剤自動投入」によりボタン一つで、コース選択が不要な「おまかせコース」の搭載にもつながっている。

「おまかせコース」の「液体洗剤自動投入」の仕組み

液体洗剤を投入するタイミングは2回。まずは最初の「予洗い」の段階で水の「着色汚れ」をチェックする。ソースやケチャップなどの濁り具合に応じて、投入する液体洗剤の量を調節するのだ。

次に、洗浄をしながら油による濁りをチェックする。サラダ油やオリーブオイルというよりは、しつこい牛脂などによる白濁の具合をセンシングするという。汚れが多いときは洗剤を追加投入して洗浄工程を追加する。

補充タンクには30回分の液体洗剤が投入できるので、約1カ月はもつという計算だ。

食洗機なら手洗いより2Lのペットボトル約32.5本も節水

節水性が高いのも食洗機の特徴だ。説明会では手洗いと食洗機の使用水量の違いを実演。1回(5人分相当の食器)当たりの使用量は、手洗いの場合、約75Lとなり2Lのペットボトル約37.5本分であるのに対し、食洗機は約9.9Lとなり2Lのペットボトル約5本分で済む。手洗いの7分の1で、約32.5本分も節水できるのだ。

なお、NP-TZ500の使用水量約9.9Lは、従来機種の約11Lから約1割減り進化している。

手洗いと食洗機の使用水量の違いを実演
節水性は手洗いよりも食洗機の方が格段に高い

家事シェア研究家のトークセッションも開催

体験会ではNPO法人tadaima!代表で家事シェア研究家の三木智有氏のトークセッションも開催。

家事・育児は「ママにとって必須科目」なのに、「パパにとっては選択科目」という現状の問題提起をする一方、国際比較では日本の男性は家事育児を限界まで頑張っている状況も示した。

家事シェア研究家の三木智有氏

夫婦で上手に折り合うには、誰がどの家事をどれだけしているかという家事分担ばかりに目を向けるのではなく、お互いの自由時間の公平性に着目するとうまくいくとアドバイスした。

食洗機は手洗いでは無理な約60~80℃という高温で洗浄するのでしつこい汚れをしっかりと取ってくれ、除菌もできる。使ってみると便利な家電なのだが、全年代・全世帯の普及率は29%と低い。

2030年に食洗機の普及率50%を目標に据える

パナソニックでは23年2月に一人暮らし向け卓上パーソナル食洗機「SOLOTA」を発売するなど、ライフステージ別に食洗機のラインアップを強化している。

ライフステージに応じてラインアップを拡充

NP-TZ500は子育てファミリー層向けフラッグシップで、次のステージであるビルトインに橋渡しするモデルとなる。パナソニックは2030年に食洗機の目標普及率50%を掲げる。(BCN・細田 立圭志)

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