中国経済は堅調 米のEV関税「合理性欠く」 長谷川克之・東京女子大教授

中国経済は堅調 米のEV関税「合理性欠く」 長谷川克之・東京女子大教授

河北省唐山港京唐港区のコンテナふ頭。(1月21日、ドローンから、唐山=新華社記者/楊世尭)

  【新華社東京6月5日】国際通貨基金(IMF)が中国の2024年の経済成長率見通しを上方修正したことが議論を呼んでいる。第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP)は前年同期比5.3%増と市場予測を大きく上回った。4月以降も全体として安定を保ち、回復傾向が続いている。

 東京女子大学の長谷川克之教授(経済学)は新華社の取材に対し、成長率が予想を上回ったのは中国経済の堅調さの現れで、背景には輸出に支えられた製造業部門の好調さと個人消費の底堅さがあると指摘。政府による財政・金融支援は今後も続くとの見方を示し、2024年の中国経済はIMFの予測と同様に5%程度の成長が見込まれると述べた。

中国経済は堅調 米のEV関税「合理性欠く」 長谷川克之・東京女子大教授

第4回中国国際消費品博覧会に自動車大手、中国第一汽車集団の高級車ブランド「紅旗」が出展した新エネルギー車。(4月13日撮影、海口=新華社記者/楊冠宇)

 韓国・ソウルで5月26、27両日開かれた第9回中日韓首脳会議については、4年ぶりの開催に意義があり、中日韓が自由貿易協定(FTA)交渉を再開し、議論を加速させる契機になったとの見方を示し、「最大の市場を持つ中国が果たす役割は大きい」と強調。気候変動問題については、3国間で協調しやすい分野であり、脱炭素に向けて世界をリードすることに期待すると語った。

 米国が中国製電気自動車(EV)などの関税を引き上げたのは合理性に欠くと指摘。「大統領選を控えたバイデン大統領のポーズの色彩が強い印象がある」と述べ、インフレ抑制と脱炭素化を進める必要がある米国で安価なEVは歓迎されるべきとの考えを示した。(記者/鍾雅)

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