「天神」「中洲」に並ぶ屋台街だった「長浜」 復活から1年 “交通の便““知名度の低さ“打破なるか

福岡市中央区の長浜地区の「屋台街」が復活して5日で1年を迎えました。かつては存続の危機に立たされていた長浜屋台街。賑わいを徐々に取り戻しつつありますが、課題も見えてきました。

長浜屋台街15軒から1軒に「がんばったのひとりで…怖かった」

屋台の客「乾杯・・・オッケーね、長浜屋台最高だね最高!」

福岡市中央区の長浜屋台街。定番のラーメンや焼き鳥のほか明太子料理専門店や串カツなど8軒の個性豊かな屋台が軒を連ねます。

長浜地区には最盛期には15軒の屋台がありましたが、店主の高齢化などで廃業や休業が相次ぎ残った屋台は「さよ子」1軒のみに。

店主の松元幸代子さんは、「長浜の屋台の灯を絶やさない」という強い思いでこれまで続けてきたと言います。

屋台「さよ子」松元幸代子店主「昔の屋台みたいににぎやかではないけど私がんばったのひとりで…怖かった」

「復活プロジェクト」で屋台は8軒に

福岡市は去年、長浜地区の賑わいを取り戻そうと公募で選ばれた7人の新規事業者と「長浜屋台街復活プロジェクト」を立ち上げました。

そして、1年前のきょう長浜地区に新たな屋台がオープンしました。

屋台「さよ子」松元幸代子店主「みんないい人ばっかりだし、市長さんがこれだけ力入れてもらったからねみんなで守っていかないといけないと思うの」

屋台街復活から1年 金曜の夜に空席も

復活から1年が経ち、課題も見えてきました。午後7時ごろの長浜屋台街、週末の金曜日ですが、ほとんどの屋台で空席が目立ちます。

一方、同じ時間帯の天神の屋台街。5軒が連なっていますがほとんどの屋台で席が埋まっています。

北海道からの観光客「そこがホテルだったんで一番近いとこでまずここにきた。(長浜屋台街の)距離がわからないどこにあるかも」

愛知県からの観光客「(長浜屋台街の)情報すら知らなかったです。知ってたら行ったかも知れないんですけど」

“交通の便””知名度の低さ”影響

歓楽街の中洲や天神の繁華街から離れた場所にある長浜屋台街。最寄り駅の地下鉄赤坂駅からは歩いて10分以上かかることに加えて「知名度の低さ」も影響しているようです。

「屋台のたまちゃん」貴田大作さん「アクセスが良くなればですね交通の便がいまいちなんでここにくるのにタクシーで来る方が多いので交通の便が良くなればまた人の流れも変わるのかなと」

福岡市屋台の魅力向上担当・濱田洋輔課長「まず長浜地区に屋台があるということを知ってもらうことがやはり難しくてそのために地下鉄に看板をだしたりですとか屋台街が復活したことをどれだけ多くの方に伝えるかにだいぶ苦心した。屋台街を天神・中洲・長浜という3大屋台街という存在をもっと知ってもらうために情報発信をしていきたいと思います。」

知名度アップに巨大な長浜屋台ガチャ

「長浜屋台街」の知名度を上げようと福岡市はこんな仕掛けも用意しました。

植高貴寛記者「長浜屋台街復活から1年を盛り上げようと巨大な長浜屋台ガチャが設置されています。」

屋台街の真ん中に出現した高さ1・9メートルの「屋台ガチャ」。中には、長浜屋台ののれんをモチーフにしたキーホルダーやステッカーなどが入っています。

地元から来た屋台の客「天神の方がしょっちゅう行ってるんですけどきょうはじめてこっちにきて(ジャンプ)新しいしちょっと安くないですかリーズナブルに飲める気がします」

長浜屋台街の常連客「天神や中洲に比べてアクセスはおとるんですけどその分地元の人が多かったりするしゆっくりできたりするし独特な雰囲気があるから楽しいかなと思います」

来年4月、新たに1軒営業開始3大屋台街への返り咲き目指す

長浜地区では、来年4月から新たに1軒、公募で決まった屋台が営業を始める予定です。

「屋台のたまちゃん」貴田大作さん「今年の公募で1軒応募がくると思うので全軒9軒並んで営業できる日がくると思うので楽しみにしていますけどみんなで盛り上げていきたいと思っています」

天神・中洲と並ぶ3大屋台街を目指して「オール長浜」で福岡の夜を盛り上げます。

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