「OGたちは(現代なら)平均40点取れるなんて言うのを止めるべき」元最優秀シックスマンのウィリアムズがシャックの発言に反論<DUNKSHOOT>

現代のNBAにおいて1試合120点超えは日常茶飯事で、リーグの平均得点は2018-19シーズンから6年連続で110点以上を記録。今季は114.2点で110点を下回ったのは30チーム中わずか4チームと、攻守の切り替えが激しいアップテンポなゲームが展開されている。

今年2月、殿堂入りセンターのシャキール・オニール(シャック)のポッドキャスト『The Big Podcast with Shaq』に出演した元得点王のアレン・アイバーソンは、シャックから「今なら平均何点取れる?」と尋ねられると、「コビー(ブライアント)が平均35点をあげた年に、俺はスコアリングタイトルを奪われた。俺は平均33点だった。もし俺がワイドオープンな今の時代でプレーしたとしたら、当時で33点だから43点までは上がるだろう。(平均)10点の上積みだ」と自信を見せていた。

1992年から2011年までNBAでプレーし、自身も2度の得点王タイトルを手にしているシャックは、5月のミネソタ・ティンバーウルブズとダラス・マーベリックスのカンファレンス決勝第4戦の試合中に、コートサイドで観戦していたNFL選手のトレボン・ディッグスに「今日(のNBA)だったら平均40点取れる?」と問われると「簡単だ」と即答し話題を呼んだ。

このシャックの発言について15、18、19年に最優秀シックスマン賞に輝いたルー・ウィリアムズが反論。22年に引退したスコアリングガードは、元NBA選手のチャンドラー・パーソンズのポッドキャスト番組『Run It Back』の出演時に次のように述べた。

「僕はそれを信じていない。だって、シャックは今と同じゲームでプレーしていたんだ。キャリア終盤にはなっていたけれど、彼は今のゲームに変わっていく過程でプレーしていた。平均40得点? そんなことはないと思う。
シャックはどの時代でも圧倒的な力を発揮するか? もちろんだ。でも、我々のOGたちは気まぐれで平均40点取れるなんて言うのを止めるべきだよ。AI(アイバーソン)も似たようなことを言っているのを見たことがあるけど、そういうのは止めなきゃいけないと思う」

ウィリアムズは、シャックをNBAで最も支配的な選手の1人として称賛し、いつの時代でも成功を収めるとした一方で、フリースロー成功率の低さ(キャリア通算52.7%)から、今日のリーグではさらにハックの標的にされると予想。そして彼が指摘したもうひとつの要素は、マッチアップする選手のプレースタイルだった。

シャックがペリメーターまで出てディフェンスする必要がある例としてウィリアムズは、カール・アンソニー・タウンズ(ウルブズ)やヴィクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)など、シュート力と機動力を兼備したビッグマンの名前を挙げた。

「彼は3ポイントラインでカール・アンソニー・タウンズをガードしなければならない。ウェンビーもそうだ。もう誰もペイント内にボールを投げて、シャックにブロックを許すようなことはしていないんだ」

ウィリアムズは19年間のキャリアで平均23.7点、10.9リバウンド、2.3ブロックをマークしたシャックの能力を評価しつつも、選手のプレースタイルとディフェンス戦略が進化した現代で平均40点をあげることは難しいと語っていた。

構成●ダンクシュート編集部

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