慢性的な混雑の改善なるか 出雲空港駐車場の利用規定制定「第1~3は3日、東など14日」 毎日巡回し違反なら所有者特定、撤去や処分 島根県

 出雲空港(出雲市斐川町沖洲)駐車場の混雑解消に向け、島根県がターミナルビルに近い第1~3駐車場の駐車期間を原則3日、東駐車場などを原則14日までとする駐車場管理規定を制定した。許可なく期間を超えて駐車する車両は所有者を特定し、撤去や処分などができると定め、7月1日に施行する。空港勤務の従業員用の駐車区画(計130台)も確保する。

 規定によると、15日以上の駐車は県に事前の届け出が必要で、東駐車場などに限って使える。やむを得ない事情で延長する場合は県に連絡を入れ、判断を仰ぐ必要がある。

 県は長期駐車など規定に違反する車に対し、所有者を特定し、移動を促す。動きがない場合は車に警告書を貼り付け、2週間後に車名やナンバー、放置場所、撤去した後の保管場所などを掲示。掲示から3カ月後に処分できる。規定違反かどうかは毎日駐車場を巡回する県職員が確認する。

 また、空港勤務の従業員の駐車状況を調べるため、県が空港に入る事業所に聞き取りしたところ、毎日121台を利用している実態が判明し、空港西側の県道出雲空港線脇の駐車スペースで40台分を確保した。さらに東駐車場で90台分を確保する方針で、県は早期に対応する。

 管理規定は今後、県のホームページやターミナル内のポスターなどで周知。場所や時期は未定だが、管理規定や規定違反の車の情報を載せる掲示板も設置する。

 20日の県議会防災地域建設委員会(坪内涼二委員長、9人)で示した。県空港整備室の仙田敦志室長は「これまで満車状態を解消しようにもできなかった。管理、運用をルール化したことで適切な対応をとっていく」と話した。

 一方、現在無料の駐車料金は「利用者利便向上協議会」の交通・駐車場部会で有料化を検討中。8月の部会で有料化した場合の導入費用や運営方法などを議論する予定にしている。

 出雲空港の駐車場 島根県の2022年調査で第1~3の3割が4日以上駐車しており、23年夏に注意喚起のビラを挟んで1割まで減った。駐車台数は、第1(456台)▽第2(66台)▽第3(58台)▽思いやり(17台)▽東(784台)▽公園(104台)▽身体障害者用(16台)-の計1501台。管理規定により、第1~3の580台が3日以内、東や思いやりなど921台が14日以内で駐車できる。

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