インド総選挙の出口調査、低所得者らの意向捉えられず=調査機関

[ニューデリー 5日 ロイター] - インド総選挙の出口調査では、社会的、経済的に下位とされる層の不満を正しく把握できず、与党への支持を過大評価していた可能性があることが分かった。

5つの調査のうち3つは、モディ首相のインド人民党(BJP)が2019年の303を上回る議席を獲得する可能性があり、ラフル・ガンジー氏の国民会議派が率いる野党連合が125─182議席を獲得すると予測していた。これを受けて、選挙結果発表を前に株式市場や通貨ルピーは上昇した。

開票が進むと、BJPは約240議席、与党連合は約293議席と与党側の得票が予想を大きく下回ることが明らかになった。モディ氏が進めた経済改革が停滞するとの懸念から、株式市場は取引時間中に20年3月以来の下落を記録した。

調査会社アクシス・マイ・インディアのプラディープ・グプタ代表は、今回の調査では、合計170議席が争われたマハラシュトラなど複数の州の社会的下位の層の有権者の動向を捉えられなかったと説明した。これらの州ではBJPが19年と比較して45議席を失った。

グプタ氏は、こうした社会層では政治的見解の異なる関係者からの攻撃を恐れ、投票先を明らかにしない有権者が多いと指摘。多くの女性有権者が代理で回答を頼んだため、投票行動が誤って推定されたとも言及した。

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