花嫁のれん寄贈続々 七尾のれん館、本紙報道受け

寄贈された夏のれんを眺める来場者=七尾市の花嫁のれん館

  ●前月の5倍 企画展で展示

 七尾市馬出町の花嫁のれん館に、能登半島地震で被災した家屋から救出された花嫁のれんが次々と届けられている。5月8日付の北國新聞朝刊で、同館が寄託を受け付けていると知った地元住民らが持参しており、5月に寄せられた数は4月の約5倍となった。集まったのれんは6月1日に始まった企画展「夏のれん展」で飾られている。

 花嫁のれんは、能登、加賀、越中に幕末から伝わる婚礼の風習で、花嫁が持参したのれんを嫁ぎ先の家の仏間入り口に掛けてくぐる。

 花嫁のれん館は4月1日の営業再開後、約1カ月間で被災家屋から3枚の花嫁のれんを預かった。その後、大型連休明けに本紙で取り組みが紹介されると、5月の寄贈数は15枚に増えた。地元住民が持参するケースが多く、同館の担当者は「1カ月間にこれだけの数が届いたのは初めて。親の思いがこもった大切なのれんを捨てずに託してほしい」と話す。

 夏のれん展には、花嫁のれんと同じ婚礼道具の一つで、青を基調とした涼やかな「夏のれん」7点のほか、七尾市の女性が地震後に寄贈したマツを描いたのれんも飾られている。8月31日まで。

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