ダウンタウンの松本人志(60)が週刊文春側に損害賠償を求めた訴訟で、松本側の主張が5日、新たに分かった。
一連の訴訟で弁論準備手続が5日、非公開のビデオ会議システムで行われた。松本側は文春で被害を訴えるA子さん、B子さんの情報開示を請求していたが、記者団の取材に応じた松本の代理人の田代政弘弁護士は、これをスルーされたと明かした。文春の代理人の喜田村洋一弁護士の取材対応はなかった。
今後の審理はA子さん、B子さんが特定されないまま進み、文春側が真実相当性などを立証していく見込み。真実相当性とは、文春が取材の上でA子さんらの証言が真実であると信じるに足る正当な理由があることを指す。文春側は、一連の訴訟の争点は真実相当性にあると主張している。
この日は審理で大きな進展はなかったが、松本側が弁論準備手続で提示した書面の内容が新たに分かった。
書面では、文春編集長時代にスクープを連発し〝文春砲の生みの親〟と称され、現在は文藝春秋総局長の新谷学氏が3月、ユーチューブ番組で、文春でのA子さんの証言を「客観的なそれを裏付ける証拠もない」と語ったことを引用。その上で、情報開示できないA子さんの証言に頼り、松本を社会的に抹殺するような報道をしたことは許さないと批判した。
3月の第1回口頭弁論で、松本側がA子さん、B子さんの情報開示を請求したことに文春の代理人の喜田村弁護士が「そんなアホなことがあるかいな」と反発。この日の弁論準備手続では松本の代理人の田代弁護士がカウンターを放った形だ。
また書面では、SNS上でA子さん、B子さんに関する情報が流布していることは松本も承知していると指摘。ただ、松本はそれが真実かどうかは判断できないとした。
松本と文春の間で和解が成立するかについては田代弁護士はこの日、「ないんじゃない? 文春は誤りを認めないし、松本さんも書かれている事実が真実とは認められないわけだから」と首を横に振った。